田渕竜也

ぼくらの『ネオ・ヴィジュアル系』世代 バンギャの文化とヒッピー編

なぜこんなにユニークなのか

バンギャの世界はユニークである。前回、バンギャの仕切りやSNSのコミュニティ、コスプレ文化により強烈な文化が生み出されて来たことを論じた。一般のロックファンからははみ出た存在になっているが、どのサブカルチャーの世界を見て回っても、これほどにまで歪に成長したヤングカルチャーは少ない。ここではもう少しバンギャの文化について焦点をあててみたい。
バンギャのファッションは強烈だ。その最大の特徴は若者ファッションに於けるアウトローとでもいうべきだ。三次元的よりも二次元的部分が強く、アングラ文化のシンボルをミックスしたところだろう。
バンギャファッションといっても様々な種類がある。ロリータファッションには黒ロリ、ゴスロリ、甘ロリ。ネオ・ヴィジュアル系バンドの人たちのようなホストのようなホス系ファッション、ゴシック色の強いエレガンス系にパンクファッション、軍服のようなファッション。様々なアングラ的なものをごちゃまぜにして、退廃的、自傷的な世界をファッションで表現することがバンギャファッションの真骨頂である。

創造性の深層を探る

バンギャはヒッピーに似ている。こうなるといろいろ論じることが難しくなりそうだが、根底にあるものは共通している。
もちろん両者には大きな違いがバンギャとヒッピーが類似するところはスタイルを作り上げる方法論にある。
ヒッピーの文化には東洋聖地へ巡礼するバックパック旅行というものがあった。そこにもバンギャの共通する精神がある。それは「旅」である。バンギャはバンドを追っかけるための旅をしている。しかもライブでの服、ライブハウス代、グッズなどさらにそして旅行代。バンギャは決まってお金が掛かる。なので地方への遠征の際はバックパッカーのような貧乏旅行になる。もはや風来坊である。この魂の自由を求める巡礼行為はバンドの追っかけとヒッピーのインド巡礼には通じるものがあると思われる。
ヒッピーファッションは60年代当時のアメリカ社会にとってサブカルチャーなアイテムである、部族の衣装やアクセサリー用いたファッションを長髪、ヒゲ、バンダナやスカーフなどで再編集するものであった。「小汚い」部分を意図的に演じ反社会性を高めていた。その反社会性には魂の解放としてLSDやマリファナなどドラッグカルチャーも含まれる。この意図的な部分、民族のファッションを真似たり、長髪にしたり身体を不穏なものへ変換していく手法はメンタルヘルスなリストカットや精神安定剤などで魂を解放するバンギャにも通じる精神が見られる。バンギャには様々アイテムを再編集・改造するDIY文化がある。鞄に安全ピン、カーディガンをぼろぼろにする、自分の耳や肌にピアスという手法で改造するなど表現は消費文化の発展と不可分だった。
バンギャやヒッピーのファッションは世間から注目されてしまった。本来はアンダーグラウンドにあるべきはずものが大衆のファッション雑誌に注目され別にネオ・ヴィジュアル系が好きでもない人たちがコスプレのようなロリータファッションやパンクファッションをマネをする人たちが発生してきた。またヒッピーの方でも自由を高らかに歌い、自由という反社会的思想もない人たちもマネをするようになった。それゆえに商業化の過剰さが生まれてきたのだった。

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