田渕竜也

シネマフィリアvol.13 もっと評価して欲しい映画特集 『キューティー・ハニー』

オープニングと序盤は最高

ここ最近、「シンゴジラ」の監督として代表作だった『新世紀エヴァンゲリオン』より話題に上がるようになった庵野秀明監督。しかし「結局、いつもの庵野かよ」で終わった『エヴァンゲリオンQ』や2004年に制作された『キューティーハニー』は『シンゴジラ』の大ヒットで風化されつつあり、邦画界では名監督扱いとなってきている。

2004年に公開された『庵野版キューティハニー』のあらすじをざっくりと説明すると「佐藤江梨子演じる如月ハニーはアンドロイドで、戦う意味も知らず、愛する感情もない。彼女の前に現れた謎のコスプレ集団いや秘密結社パンサークローは如月ハニーが身につけている「Iシステム」を狙っていた。その戦いの中で出会った友人たち。その揺らぎ無い友情を知った今、愛の戦士が目を覚ますドタバタ大騒動ムービー。」というの大筋の話。ひとまず言っておこう『エヴァンゲリオン』にしても『シンゴジラ』にしても必死になってストーリーを追っかけるなんて無駄だ。庵野作品にそういうところ求めるのはXのYoshikiに新作のアルバムを要求するぐらい無駄だ。やめておけ。考察なんて人生の時間ロスにしかならないぞ。特に庵野作品に於いては。

そんで世間一般の評価として「キューティーハニー」はよく失敗作として扱われているし、くそ味噌に叩かれている。しかしどうだろう?確かに映画本編では前半部分と後半部分のテンションの下がり方には確かにと認める部分もある。実際、予算の使い方を前半の東京湾アクアラインのシーンで半分以上使ってしまったみたいだから仕方ないよね。まるで長距離走を初っ端から全力疾走をするやつのようにペースの配分を分かってなかった。それからアニメ上がりの人だから庵野秀明の頭の中にある動きが実際の佐藤江梨子が出来るはずもないし。まぁ、とにかく前半の「金田バース」というバースの遠近を極端にキャラクターにつけたアニメーションの演出を実写で取り入れて、実際の人間の動きとアニメーションで出来ない動きを描くことで前半の特撮シーンは本当にかっこいいんだけど、やっぱり予算の掛ける配分ミスだよね。それからシンゴジラのときもそうだったけどセリフ詰め込み過ぎだよな。オタなやつがペラペラと一方的に自分の知識を喋ってくるようにとにかく台詞に情報詰め込み過ぎ。そんで後半がもう本当に地味。悪役もいつの間にか倒されていたり、なんか変なシリアス入れたり、なんかラスボスみたいな奴と佐藤江梨子が融合しようとしたり、妙な闇の部分を描こうとするのはやっぱりエヴァのときから変わっていない。まぁ、そうしたほうが庵野信者が喜ぶからね。チャールズ・マンソンのファミリーみたいなもんだよ庵野信者って。シンゴジラのラストシーンしかり。本人は特に意味のないシーンを入れただけで考察サイトが盛り上がる。だからこの映画でよく言われる佐藤江梨子の演技を否定するのはもうやめようじゃないか。否、彼女は白下着で開脚とか半裸で街を走り抜けたりやったのけただけでも頑張ったと思うよ。本当に…。ただ、佐藤江梨子の声は気になったけど…。西内まりあさんよりマシだよね。

最大の功労者片桐はいりさん

もうこの本当にこれですよね。パンサークロー四天王の一人、片桐はいりさんのゴールドクローのハイテンションな役は本当にこの映画の功労者だ。もうね、佐藤江梨子の谷間なんて吹っ飛ぶくらいのハイテンションと破壊力。髪の毛のようなものをプロペラみたいに振り回して、まるでドローンのように飛んでいくシーンは腹抱えて笑かしてもらった。パンサークロー四天王の役者も京本政樹やミッチーなど豪華な役者が演じているが、もうこの片桐はいりさんのテンションの前では全てが霞んでしまった。いつのまにかみんな倒されていたし。あっ、でもミッチーさん扮するブラッククローの曲は面白かったよな。さすがミッチー。そんで本当に悪役はみんないい演技をしていたんだけど、黄金の白塗り片桐はいりさんっていうだけでも反則的だ。コスチュームから表情、何をとって見ても面白すぎるし、笑える。もはやラスボスって誰だっけ?っていうぐらいの存在感。だけど片桐はいりさんって顔のインパクトはマダンテ級なんだけどなんか「ん?なんか美人じゃね?」って思う瞬間ってあるよね。逆に佐藤江梨子の場合、「ん?」ってなるアングルが何カ所かあるけど。まぁ、それは置いといて。

ところで片桐はいりさんはシンゴジラでも出演している。なんかおにぎりを渡すおばさん役でほんの数秒ぐらいしか映らない。しかしゴジラの緊迫感の中、この存在感と際立ったシーン。すごくここが樹木希林的なんだよね。主張はしないけど役者個人のキャラクターで押し切る。とくにこのシンゴジラって役者に演技をさせないということが前提だったみたいなんだけど、この片桐はいりさんだけは個人のキャラクターのみで押し切ったのである。これって本当にすごいことなんですよ。脇役で主役を食わずに存在感を出すって。だからあのシーンのゆったり感が際立ったんだと思う。批評家によってはあのシーンはいらないというけどね。

おバカ映画でいいじゃない

まとめると庵野秀明映画なんだからもう無駄に内容について考えるのはやめよう、考察サイトのアフィリエイトに貢献するだけだ。おバカ映画として楽しむといい凄く映画だよ。まぁ、とにかく私はこう言いたい「片桐はいりさんをもっと評価してあげてほしい。」と。

あっ、それとこのときの主題歌を歌う倖田來未をみるとなんか笑ってしまうんだよな。

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