なかむら ひろし

ゾンビ映画好きにオススメ『デッド·オブ·ウィンター』

 毎年、Twitterの方でその年に何がブームになるのかを予想してるのですが、5年ぐらい前に書いた「アナログボードゲーム」がここ数年でじわじわ来てるようです。行ったことはないのですが、ボードゲームカフェなんてものも出来たりしてるようですね。ほとんど当てる気がないブーム予想の中ではいい線いった方ではないでしょうか。
 私自身もボードゲームが好きなので、所有しているボードゲームをここで少しずつ紹介していこうかなと思います。普通に量販店なんかで売ってるゲームしか買うことがないので、あまりコアなゲームは所有してませんが、『人生ゲーム』や『モノポリー』ぐらいしか知らないという方に少しでも興味を持っていただければ幸いです。

 第1回目は、遊ぶのに1時間以上かかるものの中では、私がここ1年で最も遊んだボードゲーム『デッド·オブ·ウィンター』です。アメリカのゲームなのですが、2015年末に日本語版が発売されると、海外で評価が高かったこともあり、話題になりました。
 ゲームの設定としては、ゾンビに汚染された世界を生き残るというサバイバルホラーです。ドラマ『ウォーキング·デッド』のヒットもこのゲームにとっては追い風になったことでしょう。

 ここからは、ゲームの流れを書いていくことにしましょう。

 まず、『砦の使命』と呼ばれる各プレーヤー共通の目標を10種類(ハード·モードを含めると20種類)の中から選択します。ルールブックに各『砦の使命』のプロローグが書かれてあるので、ゲームを始める前に読み、皆で『デッド·オブ·ウィンター』の世界観に入り込むと、より楽しめると思います。
 次に、各プレイヤーに『密命カード』を配ります。このゲームは、皆で協力して『砦の使命』を完遂するだけの協力型ゲームではありません。『密命カード』に書かれてある条件をすべてクリアしたプレイヤーだけが勝者です。もちろん皆で協力することは必要ですが、『砦の使命』の完遂は勝利への前提条件でしかなく、あくまでも個人戦なのです。
 さらにこのゲームを面白くしているのが『裏切り者』の存在です。各プレイヤーに配られる『密命カード』の中には『裏切り者』と書かれたカードが交ざっています。これは通常の『密命』とは異なり、『砦の使命』を失敗させることが勝利の前提条件になっています。『密命』は当然公開しないので、正体隠匿要素も楽しめるようになっています。
 『裏切り者』は必ず存在するとは限らないのですが、各プレイヤーは『密命』を達成するため、全体の利益とは反する行動を取らなければならない局面が出てきます。本当は『裏切り者』なんていないのにも関わらず、皆が疑い合うなんていう光景も。
 また、各プレイヤーは手番中に怪しいプレイヤーを投票によって追放することも出来ます。ただ、追放されても即脱落なんてことはなく、新たな追放者用の『密命カード』を引き、逆転することも可能です。とはいえ、条件が厳しくなるので、できるだけ追放されることは避けたいところです。

 『密命カード』を確認し、初期支援カードを5枚ずつ受け取ると、今度は『職能者』と呼ばれる自分の分身となって働くキャラクターカードを4枚ずつ配ります。この中から好きな2枚を選んで、残りは山札に戻します。
 キャラクターは全部で30人。それぞれ個性を持っているので、『砦の使命』や『密命』に合ったキャラクターを選ぶと良いでしょう。この豊富なキャラクターたちもゲームを大きく彩ります。
 これで準備はお仕舞い、いよいよゲームの始まりです。

 各ラウンドは、『危機カード』を捲ることから始まります。これは謂わば、「ラウンド毎の目標」で、指定された種類の物資をプレイヤー分の枚数供出することで、カードに書かれたデメリット効果を防ぐことができます。
 これは、各プレイヤーが必ず1枚供出しなければならない訳ではなく、出せる人が出せばオッケーです。また、カードは伏せたまま出し、各ラウンド終わりにシャッフルしてからオープンします。『裏切り者』は、ここに異なる種類のカードを出すことで妨害することが可能です。

 ここから各プレイヤーの手番に入っていく訳ですが、その前に全プレイヤーが職能者の数+1個のダイスを振ります。手番ではダイスの目を使うアクションがあるので、ダイスの出目によってはできないアクションも出てきます。
 ここで「今回は出目が悪くてゾンビを駆除できないので、○○さん、お願いします。代わりにゴミ掃除しときます。」なんていう戦略が立てられます。

 各プレイヤーの職能者たちは、『最後の砦』に配置されています。手番が回ってくると、砦から警察署や雑貨屋などの施設に移動し、武器や食料などの物資を捜索したり、ゾンビを駆除したりします。捜索するには『職能者カード』に書かれた虫眼鏡のアイコンの横の数字以上のダイスの目を消費しなければなりません。攻撃も同じように爆発マークの横の数字以上のダイスの目を消費します。

 移動や攻撃を行うと、『感染判定器』と呼ばれる特殊なアイコンの描かれた12面ダイスを振らなければなりません。この内6面は何事も起こらない空白なのですが、ドクロが出ると負傷、雪の結晶が出ると凍傷になり、対応したトークンを『職能者カード』の上に置きます。これらが種類を問わず、3つ置かれると、そのキャラクターは死亡してしまいます。そして、最も恐ろしいのが、歯のアイコンです。1面しかないのですが、出ると即死します。職能者が死亡すると、士気(全プレイヤー共通のHPのようなもので、0になるとゲームオーバー)が1低下してしまいます。さらに職能者が感染判定によって死亡すると、同じ施設にいる職能者に感染が拡大する可能性があります。

 各プレイヤーの手番開始時、手番プレイヤーの右側に座っているプレイヤーは『交差点カード』を捲り、自分だけ内容を確認します。これはランダムイベントになっていて、カードに書かれた条件(手番プレイヤーの職能者が移動したなど)が満たされた時、イベントの発動を宣言します。
 イベントはメリットになるもの、デメリットになるものの他、リスクを犯してリターンを得るものがあったりします。各交差点カードには、いくつかの選択肢が用意されていて、カードによって手番プレイヤーが選択したり、投票によって決めることもあります。
 必ずしも発動するわけではありませんが、交差点イベント発動によって、状況が好転したり、ここまでの戦略が崩れてしまったり、なかなか盛り上がります。ハードなイベントからちょっと笑えるイベントまで種類も豊富で飽きさせない工夫がなされています。

 他にも砦の生存者には毎ラウンド、食糧が必要だったり、役には立たないが食糧は消費する無力者、プレイしたカードはゴミ捨て場に置くが、ゴミが溜まると士気が下がるなど、まだまだゲームのルールや魅力を語りきれていないのですが、長くなってきたのでこの辺にしておきます。

最後にこのゲームの総評を書いて終わりにします。

オススメ度★★★☆☆☆

個人的に好きなゲームなので、もっと評価したいところなのですが、ボードゲームをあまりやったことがないという方を対象としているため、こんな評価になりした。

○ゾンビ映画を疑似体験できる
ストーリー性の高いゲームなので、全プレイヤーが世界観に入り込むと、非常に盛り上がります。
ゾンビ映画にありがちな展開になったりするので、ゾンビ映画好きは楽しめるはず。
キャラクターも非常に魅力的なのもポイントが高いです。
ゲームシステムは、どこかで見たような感じで、目新しさはあまりないのですが、上手くまとめていると思います。

○高難易度だが細かい調整が可能
シナリオにもよりますが、非常に難易度の高いゲームなので、ボードゲームフリークの方にも満足できる内容なっています。
ただ、密命カードを使わず、完全協力型ゲームにしたり、密命カードは使うが、裏切り者を入れないなど、ボードゲームをあまりやったことがない方や初めてプレイ場合は難易度を調整することもできます。

○運の要素が強い
ダイスを使うゲームにありがちなことなのですが、運の要素が結構強めです。
ダイスもそうですが、一番困るのが密命の難易度の幅が広いところ。
ゲーム開始時からほとんど詰んでいるということもあります。
運の要素があまり絡まないゲームが好みの方はあまり楽しめないかもしれません。
ただ、思わぬ不運に見舞われることがあるのもまたゾンビ映画。
結果だけじゃなく過程も楽しめるタイプの方にはオススメです。

○豪華なコンポーネント
なかなか値が張るのですが、その分広げるだけでもワクワクします。
デザインも良く、紙製ではありますが、大量の職能者やゾンビのコマは目を引きます。
インスタ映えするフォトジェニックなゲームです。

○手軽さに欠ける
プレイするのに少なくとも1時間以上はかかります。
特に初めてプレイする場合は探り探りになるので、2時間は見積もっていた方が良いでしょう。
ルール自体はシンプルなので、覚えてしまえば難しくないのですが、できるアクションが多いので、難しく感じるかもしれません。
最初は経験者やルールブックを熟読したプレイヤーが同席した方が無難です。
また、準備や片付けも結構時間がかかります。
あと、プレイするにはそれなりのスペースが必要ですし、結構物理的に重いので持ち運ぶのも大変だったりします。

 実際にプレイされている動画も検索すると出てくるので、興味を持たれた方はそちらもご覧になっていただけると良いと思います。今年、新たな拡張版も発売されるようなので、再び盛り上がりを見せるかもしれないゲーム。ボードゲームカフェなんかでもプレイできるかもしれませんね。

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