シネマフィリアvol.12 ポンコツクソ映画特集 『Oh my Z』

文:田渕竜也

サブカルクソ野郎、Fuck off

突然ですが、舞台って見にいったことってありますか?劇団新感線だったり、ヨーロッパ企画だったりいわゆる「劇団」っていうやつ。私個人としては「舞台ファン」の独特な閉鎖的雰囲気がすごく苦手。「舞台ファン」の奴らってなんだか自己満足感ハンパじゃなくありませんか?意識が高いっていうかなんというか。決まって言うセリフは「お芝居を見にいく」。お芝居ってなんなんだよ。サブカルクソ野郎。それから正直、「舞台」自体が面白いとは思えない。あのオーバーな演技をうるさい演技の声がすごく苦手。アンド過激なセリフと身振りとテーマで自分たちに酔っているなど…。まぁ、ここまでは私事なんだけど。あんまりディスっても良くないな。

そんな舞台ファンが好んで推すお笑い芸人といえば、バナナマン、ラーメンズそして東京03だ。こういう芸人たちを推す奴らはだいたいサブカルファック野郎だ。そんな読む雑誌は「QUICK JAPAN』で下北沢、吉祥寺、高円寺あたりへ行けばポケモンのポッポとかコラッタぐらいの確率でエンカウントする奴らなんか中指突き立ててクソサブカルマザーファッカーって言ってやればいい。

斬新な世界観!

そんで今回、取り上げるマザーファッカーな映画『Oh my Z』は一応ゾンビ映画である。平たく物語を言ってしまえば「ゾンビが溢れたけどなんとか鎮圧できた世界の五年後の話でその世界ではゾンビが高値で売れる」っていう話。映画の冒頭でこの映画の世界をありがたいぐらいに丁寧にナレーションと変なアニメーションで説明してくれる。もうちょい演出と映像で世界観を表現せいや。さらに物語を踏み込んで言えば「ひょんなことでゾンビが民家の中に入り、そのゾンビをどうするか」っていう話。

話は一見斬新っぽいけど、ほとんど登場人物の会話劇だから終盤までゾンビの存在ってあまり意味がない。別にこれが宇宙人でも半魚人でも何かしらの動物であれば話は成立する訳で。まぁ会話劇だから「ゾンビ映画」というより「舞台コント映画」だよな。

個性豊かな登場人物!

そんでその肝心な会話劇がの内容が東京03の角田が周りのマザーファッカーな登場人物たちに振り回されるだけで本当に面白くない。この登場人物たちの行動、IQレベルの低さは本当にイラつかせられる。なのでこの映画を1.5倍速で見てもなんにも問題ないよ。むしろそうしないと精神衛生に悪いし、時間が勿体無い。こんなしょうもない会話に限りある人生の時間を捧げてられないよ。

で、この映画の会話劇は登場人物のゾンビの動画でYou Tubeになろうとする少年、ゾンビが入った民家の家主のおっさんとその嫁、自称ゾンビの嫁、自称・医者の「本音」とそれぞれの正体に関する腹の探り合いで、なんというか本当に舞台的な映画だった。まぁ、登場する人物の個性の書き分け方はまだよかったけど、これも舞台的だよね。

しかしなんせ撮影場所が民家ぐらいでほとんど舞台は変わらない。一つの舞台で話は完結してしる。だからものすごく画面を見ていて退屈になってくる。しかもずっと会話劇で終始つまらない会話だし。それに終盤、あの終盤の突然、ゾンビの口に手を突っ込もうとするあのギャグ。本当に面白くないし、長い。そんで結局、登場人物はゾンビに食われたり、ゾンビに噛まれて腕を切り落として死んだり、仲間同士なんか殺し合いになったりして、結局、みんな死んでゾンビになるんだけど。

この終盤のスプラッタ演出もなんか変なんだよな。ゾンビの口に手を突っ込んで噛まれたともさかりえの腕を切り落とすシーンなんかも止血なしで腕を切るし。そりゃ死ぬよ。この映画の製作陣は車の免許も持ってないのかよ。救命講習ぐらい受けろよ。相変わらず顔曲がってんぞ。それからなんか自称ゾンビの嫁と自称・医者の殺し合いになってるシーンもなんか「痛さ」がないし、腹を裂かれて内臓が飛び出る自称・医者もなんかまるでパーカーのジッパーを開いたような感じだし。内臓の小道具もなんか作り物感がすごいし。

まぁ、舞台的なコント作品だからここにリアルなゴア演出を入れるとその演出が浮いてしまからあえてそうしているのかもしれないが。だったらそんな終盤とラストにすんなよ。なんかゾンビの首が飛んでいくシーンなんて滑り倒していたよ。

『キサラギ』に似てるよね。

しかし良くも悪くも舞台ファンなら楽しめるんじゃないかと思う。これって映画「キサラギ』を見たときから思っていたんだけどこういうユルさを前面に押し出す映画って舞台ファン、もしくは「この俳優が好き」っていう人じゃないと見るの向いてないよな。今回の作品も東京03目当てで見てる人多そうだし。

総評としては「この監督と脚本ってもう東京03にやってもらった方がマシなレベル。脚本と監督の笑いのつぼが違いすぎてストレスになったゾンビ版『キサラギ』」。っていうか最近の邦画って低予算でユルい感じの脚本で作ればなんか消費者が許してくれるみたいな感じになってないですか?そんな作品にはマザーファッカーだよ。

田渕竜也のTwitter

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