キングカメハメハ産駒は優等生
競馬をやる方ならあまり血統を知らなくても名前ぐらいは知っているであろうキングカメハメハ。現在、ディープインパクトに次ぐ日本競馬を代表する名種牡馬です。それだけに出走数も多いので、この種牡馬も特徴を押さえておくと回収率アップに繋がるのではないでしょうか。
キングカメハメハは現役時代、NHKマイルカップ、日本ダービーを連勝し、初の変則二冠を達成しました。しかし、神戸新聞杯を勝った後、故障のため引退。4歳から種牡馬としての道を歩むことになります。今年、日本ダービーを勝ったレイデオロをはじめ、多くのG1馬を輩出し、ディープインパクトが登場するまではリーディングサイアーとして君臨していました。
ディープインパクトと並ぶクラシック血統
キングカメハメハは、ディープインパクトには劣るものの、優れた瞬発力を伝えます。ディープインパクトの回でも書きましたが、スローの上がり勝負になることの多い日本競馬では最も重要な能力です。そして、その中でもクラシックに強い血統であることが一流の証明ということになります。
日本ダービーは「ダービー馬の産駒を買え」なんて言われますが、この種牡馬も自身が日本ダービーを勝っていて、レイデオロ、ドゥラメンテというダービー馬を出しています。また、アパパネという牝馬三冠も出していることからクラシック血統と十分言えるのではないでしょうか。
瞬発力を活かした競馬は消耗しやすい
キングカメハメハ産駒もディープインパクト産駒と同じく、疲労に弱いタイプが多いです。やはり、瞬発力勝負は消耗しやすいのでしょう。休み明けは強いのですが、使い詰めるとパフォーマンスを落とす可能性が高いので、注意したいところです。
逆にキングカメハメハ産駒でも瞬発力のないタイプだと使って良くなるタイプだったりするので、そこら辺を見極める必要があります。現役馬だとヤマカツエースなんかがそのタイプだと思います。
なんでもこなす優等生
ここまでの話だとキングカメハメハはディープインパクトの下位互換なんじゃないかと思われるかもしれませんが、全然そんなことはありません。キングカメハメハ産駒の大きな特徴は万能タイプであるということです。
まず、距離適性は3000mを超えるような長距離は苦手ですが、それ以外はどんな距離でもこなします。厳密には短すぎるのもよくないのですが、スプリント界で最強と言われたロードカナロアを出していますし、ディープインパクトほど苦手ではありません。
また、キングカメハメハはディープインパクトが苦手なダートもこなします。キングカメハメハは米国的なダート血統であるミスタープロスペクター系なので、ダートで走っても不思議なことなどありません。エルコンドルパサーが出るまでキングマンボ産駒はダート馬だと思われていたぐらいですからね。ところが、実際は日本の芝に適応していて、キングカメハメハが日本ダービーを勝つことになるわけです。ちなみに同じく日本ダービーを勝ったエイシンフラッシュの父はキングズベストというキングマンボ産駒だったりします。
他にもディープインパクト産駒が苦手な道悪も田んぼのような不良馬場でもない限りは十分こなせます。また、回収率の面でもディープインパクトほど過剰人気しないので、優秀だったりします。
優等生故に
万能タイプのキングカメハメハですが、それ故の弱点があります。それは、極端な展開になると一芸に秀でた馬に勝ち切れないというところです。瞬発力勝負ではディープインパクトに劣り、タフな流れになると欧州的なスタミナ血統に劣り、高いダート適性が求められると米国的なダート血統に劣るのです。
ここら辺は母系が関わってくるのですが、特に母父サンデーサイレンスの馬は瞬発力以外の能力がなかなか補完できず、長らくG1で勝ち切れない時期が続きました。ドゥラメンテが勝つまでは父キングカメハメハ、母父サンデーサイレンスの馬はブエナビスタの降着によって繰り上がりでG1馬になったローズキングダムしかいなかったと記憶しています。
最後にヒットザターゲットに代表される内枠得意だとか、ディープインパクト産駒と同じく先行して瞬発力を発揮するラブリーデイのようなタイプが本当は固いなんていうデータをチラッと紹介して今回は終わります。とりあえず、現在の日本競馬の2トップであるディープインパクトとキングカメハメハの特徴くらいは少しでも頭に入れておいた方が良いかと思います。