お手軽トリックテイキング『5本のキュウリ』

文:なかむら ひろし

 皆さんはトリックテイキングというトランプゲームをご存知でしょうか?私の周りではトランプといえば、『大富豪』が一強状態で、トリックテイキングなんてほぼやらないわけですが、カードゲームってトリックテイキングをベースにしたものが意外と多かったりします。欧米ではそれほどポピュラーなゲームなのでしょうね。

 今回紹介するゲームは、そんなトリックテイキングをベースにした『5本のキュウリ』です。

 スカンジナビアで良く知られている『アグルカ』というゲームをデザイナーのフリードマン·フリーゼが現代版にアレンジしたゲームとのことです。私は『アグルカ』なんて全く聞いたことがありませんが。

 コンポーネントは、お手軽なカードゲームということで、小箱に1から15までのカードが4枚ずつ計60枚と木製のキュウリトークンが30個にルールシートが1枚と非常にシンプルですが、キュウリトークンはなかなか味があって、良い雰囲気を醸し出しています。

 どんなルールか説明する前に、トリックテイキングを知らない方に超大雑把にどんなゲームなのか申し上げますと、「各プレイヤーが手札から1枚ずつ出して、一番大きい数字を出した人が勝ち」というゲーム(これをトリックと呼びます)を手札がなくなるまで繰り返し、最終的な勝者を決めるゲームです。ゲームによって、カードの出し方や最終的な勝者を決める条件なんかは異なりますが、基本はこんな感じです。
 このゲームも流れ自体は同じで、最初に各プレイヤーにカードを7枚ずつ配ります。次にジャンケンなど適当な方法で親(トリックテイキングではリードなんて言い方をします)を決め、順番にカードを出していきます。

 親は手札から好きなカードを出して良いのですが、次のプレイヤーは「場に出ているカードの中で最も大きい数字以上のカード」を出さなければなりません。「以上」なので、同じ数字でも構いません。もし、条件に合うカードがなかったり、出せるけど出したくないという場合は、「手札の中で最も小さい数字のカード」を出してください。ここはかなり重要なので、間違えないようにしましょう。もう一度、言います。出せない、または出したくない場合は「手札の中で最も小さい数字のカード」を出してください。
 全てのプレイヤーがカードを1枚出したら、1トリック終了です。(『大富豪』のように一周した後も続けてカードを出すゲームではないので、『大富豪』ばっかりやってた方は注意しましょう)ここで最も大きい数字を出した人がそのトリックの勝者となり、次のトリックで親になります。最も大きい数字が2枚以上ある場合、「後から出した人が勝者」になります。

 これを7トリックつまり手札がなくなるまで繰り返すわけですが、重要なのは最終トリックです。最終トリックで勝ってしまうとマイナス点となるキュウリトークンを受け取ることになります。実は、第6トリックまでは最終トリックで勝たないための前哨戦だったわけです。
 マイナス点は、最終トリックで場に出されたカードに描かれたキュウリの合計本数になります。(数字ではなくキュウリの絵です)このキュウリを受け取ることができる上限はタイトルの通り5本です。6本以上になったらゲームから脱落します。そして、最後まで残った人が最終的な勝者となるのです。

 カードに描かれたキュウリの本数は、数字が大きいほど多くなっています。また、1のカードだけ特殊で、キュウリは描かれておらず、『×2』と書かれています。これが出ていると、受け取るマイナス点が2倍になります。滅多に起こりませんが、最終トリックで全プレイヤーが1を出した場合は、キュウリがないので、勝ってもマイナス点を受け取る必要はありません。ただ、1が複数枚出ている状態で2以上を出して勝ってしまった場合、4倍や8倍になるかどうかはルールシートに書かれていません。滅多に起こりませんが、ここはゲーム開始前にどうするか決めておくと良いでしょう。

オススメ度★★★★★☆

 シンプルながらもなかなか戦略性の高いゲームで、トリックテイキング系カードゲームの入門編として、かなりオススメです。入手性も悪くないので、見かけたら是非購入してみてはいかがでしょうか。

○手札が悪くても立ち回り次第でなんとかなる

 最終トリックのためにできるだけ小さい数字を残したいところですが、他のプレイヤーに15など大きい数字を出されてしまうと、一番小さい数字を出さなくてはならなくなるので、意外と中途半端な数字が最後に残ってしまうことがあったりします。
 また、それまでに出したカードからある程度、相手の手札を読むことができます。これを利用して「あの人は6以下のカードはないから4を残すよりもマイナス点が大きい6を残した方が良いや」なんていう嫌がらせもできます。
 さすがにカードの偏りが大き過ぎるとどうしようもないこともありますが、案外初期手札が悪くてもなんとかなったりします。

○ルール変更で脱落者を出さない

 一応、2人から6人となっていますが、7人以上でも遊べます。さすがにあんまり多いとあれですが、3人以上で遊ぶ方が良いかなと思います。4,5人がベストでしょう。
 3人以上でプレイする場合、脱落してしまった人が暇になるという欠点がありますが、これは最初に何ゲームやるかを決めて、一番マイナス点が少ない人が勝利というようなルール変更を行い、脱落者を出さないことで容易に克服できます。連敗しても逆転要素のあるゲームなので、それほど途中でだれる心配もあまりありません。

 『5本のキュウリ』いかがだったでしょうか?次回もお手軽なカードゲームを紹介しようと思ってますが、『デッド·オブ·ウィンター·コロニー·ウォーズ』がアップを始めています。

なかむら ひろしのTwitter

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