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月収15万のアーティスト志望の人が月収50万以上の人からマウントを奪う方法

文:田渕竜也

よー、そこの若ぇの。俺の話を聞いてくれい


自分の好きなことで飯を食うなんて台詞はくそほどに聞いて来た台詞だけど、「アーティストは儲からない」っていうことも決まり文句のように耳にタコができるぐらい聞いて来た。まぁそりゃそうだ。
コスプレイヤー、自称ミュージシャン、自称アーティストたちのうち実際に食べていけるのはスイカの一番甘い部分の先端ぐらいで、その他のメインストリームになれない奴らなんてスイカの皮みたいな奴ら。言い切ってしまえば努力という頑張りだけでは越えられない「壁」というものがあって、その上に運と頭の良さが必要だ。それ以外はただのスイカの皮にしかなれない。そして時が経つとあの頃のハイスクール時代の同期たちは家族を持ち、マイカーを持ち、マイホームを持ち、仕事では昇進なんてこともあって、世間的常識というルートから逸れた、好きなことで生きて行く自身は将来への不安がとんでもなく襲ってくる。そして久しぶりに同期と合えば世間的常識を武器に「いつまでそんな好きなことだけやってんだよ」ってマウントを取ってありがたいお説教をしてくる。しかし考えみよう、そういう『クレヨンしんちゃん』の野原一家みたいな生活は今の時代の生き方に合っているのか?長くなったが好きなことを我慢してまで世間的常識を手にいれる人たちへマウントを返すこと、スイカの皮たちの逆襲がテーマだ。

貧乏ってどういうこと?


生活においてランニングコストが高すぎる生活をすると貧乏になる。まぁ当たり前のことだけど生活のランクを上げるとそのコストを維持するためコストという燃費が悪くなる。ハマーなんかのアメ車だったらエンジンがデカすぎるので、エネルギーを維持するため燃費は食う。それと同じで車持ちで東京郊外にマイホーム建てて、子持ち二人の専業主婦だといくら月収50万ぐらいあっても生活というエンジンが大きければ大きいほど「貧乏」になる。要は手元に残る「貯金」というものが貧乏かどうかの物差しになる。例えば正社員で月収50万でも「貯金できません」では貧乏。フリーターで月収15万でも貯金5万でもできれば、フリーターの方が貧乏ではないのである。かつかつに働いて貯金の残らない月収50万の人とアーティスト志望でバイトをしながら月収15万で毎月5万貯金と比較してみれば生活に余裕があるのはアーティスト志望の後者なので月収50万の人いくらありがたいお説教喰らおうが、「で、貯金はいくらよ?」って言ってマウントを取り返すことができるのである。
それからアーティスト志望の人にとって貯金の重要性はかなりデカい。スガシカオさんの場合、音楽活動をしてチャンスを狙いながら、まず300万を貯めて機が熟した瞬間、仕事を辞めて音楽に全てをつぎ込んだそうな。貯金があるとチャンスを狙いながらその時がきたらスッパリ仕事をやめるマインドが持てる。「まっ、金ならあるし」っていうこの無敵感こそ重要。

仕事選びは重要


仕事を決めるとき何を基準で決めますか?年収?上場企業?会社規模の大きさ?確かに自分のしたいことで年収、上場企業、会社規模の大きさが合致していればそれはそれでいいんだけど、これで決めると大体地獄を見ることになるよ。だって電通がそうだったじゃないですか。筆者の知り合いにも好きなことで広告系の会社に就職したやつが現実のギャップに苦しみ地獄を見たやつがいた。いくら年収、社会的地位が高くて、やりがいがあってもストレス溜め込んで死んだらそこでゲームオーバー。だからいくら好きなことでも8時間労働プラス残業5時間なんて家に帰って何かをクリエイトすることができない上、何か新しい知識も入れる時間もなくなる。それから病気にもなるし。これだったらできるだけ早く帰れる仕事である程度の資金を調達しながら帰って何かをクリエイトしている方が自分の時間が多くあるので新しい知識も手に入れることもできる、ストレスの少ない健康的な生活が送れる。それに何かを挑戦する余裕も生まれる。結局、いくら年収が高くても自分の時間がなくほとんどの時間を雇われている会社につぎ込んでしまっていることが、自分の人生という時間を安売りして健康寿命をすり減らしていることなのである。

クリエイトはコスパ最強


消費するってコストがかかりすぎる。今の時代なんてパソコンさえあればあとは音楽ならDAWソフトとかいろいろ揃えば最低でも20万ぐらいでそれなりに打ち込みで楽曲を制作する環境は作ることができるし、ペンタブで絵を描くならPainterでもダウンロードして安いペンタブでも買えば10万以内には収まるし、コスプレをして自撮りをSNSでアップをするならコスプレ衣装を自分で作るならミシン購入だい合わせて2万以内には収まる。これって200万ぐらいで車を買って、毎月3万も維持費をかける費用よりもものすごくコストが低燃費。コストを掛けずに、自分の欲求のために楽しむことができるからクリエイトという行為は最強なのである。だってYoutuberとかインスタグラムに於けるインフルエンサー、Twitterのコウメ太夫なんかの現代の重力場になる人たちの登場を誰が予測できましたか?何かをクリエイトしながらワンチャンを狙いながら続けていくということが最強の攻め方なのではないだろうか?

まとめ・Beckの『Loser」という生き方


Soy un perdedor
I’m a loser baby, so why don’t you kill me?
Soy un perdedor
I’m a loser baby, so why don’t you kill me?
俺は負け犬さ(スペイン語)
俺は負け犬だよ殺しちまいなよ
俺は負け犬さ(スペイン語)
俺は負け犬だよ殺しちまいなよ

Beckのサビの部分の一節だが、今までの日本社会において年収が低い、やりがいのない仕事、社会的地位が低いということは「Loser」という刻印が押されてきた。しかし現代ではどうだろうか?「勝者たれ」と命じられ、真面目に仕事をやっても時間もなく、好きなこともできず、ただ自分の燃費の悪い生活水準を維持していかなければいけない日々。これって自分の時間を持てない生き方って実は「Loser」ではないだろうか?これならもういっそのこと「自分はだめなやつで負け犬」という開き直ることで、年収が低い、やりがいのない、社会的地位が低いという思考停止から脱することで、アーティスト志望の人の月収15万ぐらいでも自分の時間がある方が今の時代的には勝ち犬になるのではないだろうか?健康、貯金そして時間があるやつが今の時代、マウントを取ることができる。
ちなみにこのBeckさん、きちんとした教育を受けてない上に会社勤めできる資格も何もないし、ずっと貧乏に生きてきた人なんですよ。その中で自分の好きなブルースやフォークなんかの音楽を続けているとメジャーデビューすることができた。まぁなにが言いたいかというと何が当たるかわからない今の時代。こんな時代に好きなことをする時間と貯金がないと勿体無いですよっていう話。

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