「顔」から考えるバンドフロントマン
売れてるメジャーどころのバンドフロントマンを見てもらいたい。それから注目されているインディーズバンドのフロントマンを見てほしい。それではこれら「注目」されている人たちを見て何か共通するものがあることにお気づきだろうか…?そう、どうやっても努力をしても手に入れることのできない「顔」です。結局、売れるかどうかはフロントマンの「顔」にかかっている。正直、消費者が求めるものなんて歌唱力は二の次だし、そんなの音楽を長くやっていればそのうちつく、楽曲のセンスなんて外部のプロデューサーに任せればいいし、楽曲のメッセージ性なんてファンにしか受け取られないし、その上、フロントマンのルックスが良くないとファンなんてつかない。結局、消費者がバンドフロントマンに求めるニーズはアイドル性であって、アーティスト性はそこまで求められていないのが現実だ。
なので、バンドフロントマンは高いヴォイストレーニングの授業料を払うより手っ取り早く整形するほうが堅実的とも言える。こういうことは俳優の世界でも同じことだ。邦画、ドラマなんてまず、顔ありきだ。演技力なんて最低限で十分。あとは顔のファンをつれてくるだけ。なるほど、やっぱりイケメン、美女が得する社会なのか…。しかし少し待って欲しい、今回はそんなイケメン、美女の話をしたい訳ではない。そもそもバンドフロントマンにおける「顔の良さってなんだ?」っていう、もっと顔の良さの「真理」について話をしたいのです。
まずShishamoというバンドを思い浮かべて欲しい。わからない方はグーグルでも使って調べてみてくだされ。どうだろうか?美女集団ではないけどまるで計算された黄金比のようになにか惹きつけるルックスをもっている。サンボマスターにしてもKANA-BOONそしてゆらゆら帝国にしても同様である。彼らは別にイケメンや美女ではない。むしろその逆行をいっている。しかし彼らには楽曲は別としてなぜか大衆を惹きつけるなにかをルックスに持っている。
パブリックイメージという言葉がある。元Sex Pistols、ジョン・ライドンのバンドのことではない。意味としては広く世間で認知されている印象のことだ。例えば、アドルフ・ヒトラーの場合、顔を連想するとき、真っ先に思い浮かぶのはちょび髭とツーブロックみたいな七三分けである。それから、ウィストン・チャーチルならVサイン、チェ・ゲバラなら帽子と髭みたいな感じである人物を思い浮かべるとき何か一つでも連想できるパーツがあればその人物の顔が合致しやすいのである。ヒトラーにしてもチャーチルにしてもゲバラ、さらにはスターリンなんかも別にイケメンなんかではない。でも、名前を聞くとパッと彼らの姿を連想できる。
要は人物を限りなくピクトグラム化したとき、残ったパーツがその人物のイメージとして記憶されやすくなった結果、記憶に残るルックスは大衆を惹きつける要因となるのである。だから記憶に残りやすいイメージを持っているものが勝ちなのである。ほら、周りにいませんか?割とイケメン、美人なのに全然、記憶に残らないまるでザク量産型のようなような人たち。こういう人たちはバンドのフロントマンには向かないということなのである。というより人前に出る仕事に向いてない。大体、売れてないバンドに限ってフロントマンの「顔」に特徴がない。ただ無難なそこそこルックスはいいけど似顔絵を描きとめんどくさそうな「顔」に特徴がない人。こういう人がフロントマンのバンドはやっぱりバンド名すら覚えられない。
まぁ、顔がいい=イケメン、美女ではないとは言っても、最低限、清潔感は必要である。何でも特徴をつければ何でも言い訳ではない。だってボロギレを着て、底が抜けた靴を履いて、無精髭に体毛がモサモサ、さらにヤニだらけで歯の抜けた人になんか近づきたくないでしょ?仮に芸術肌というパブリックイメージをつけようとしていても、そういう人には乞食とか尊師みたいなイメージがついてしまう。パブリックイメージは下手したらただの小汚いおっさんとか貧相な人というマイナスの印象もついてしまう可能性があるので、その辺りは十分に注意する必要がある。なので決していい印象だけがイメージに残る訳ではない。マイナスイメージで顔を覚えられると大衆から嫌悪という最悪の形になってしまう。その場合はパブリックイメージの付け方に失敗している結果である。
バンドフロントマンにどういう印象をつけるかはそのバンド自身にとって重大な課題である。例えばメガネをかけり、小太り、スキンヘッド、白塗りなどいろんな方法で印象の付け方がある。なにをどうやってフロントマンに印象付けるかはそのバンド次第だ。正直、フロントマンさえなんとかしていればそれでいい。だって誰も演奏陣なんて見てないから。まぁ最低限、服ぐらいは合わせよう。そんでパブリックイメージをしっかりと設定して活動できているかどうかでいくら演奏力や作曲、アレンジ力があっても、やっぱり売れるバンドと売れないバンドの差はかなりでる。
この辺り、パブリックイメージの付け方ですごく上手いのはサンボマスター。彼らは小太りで非モテっぽい人らだけどどことなく清潔感もあって近づきやすい。ピクトグラム化したらメガネと短髪、小太りにやたら高い位置のギターの構え方というわかりやすくて覚えやすいフロントマンである。その他のメンバーはどんなのかは知らないけどフロントマンだけでサンボマスターというイメージが完成されている。なのでイケメン、美女でないバンドフロントマンであれば、それこそもっとパブリックイメージをつけること強くおすすめする。
それではみなさんのバンドライフが少しでもよくなることを祈って。また次回。