バッティングゲームの傑作『ハゲタカのえじき』

文:なかむら ひろし

 今回紹介するのはアレックス·ランドルフ氏の名作『ハゲタカのえじき』でございます。ボードゲームクラスタの方の間では知らない人はいないというほど、大変有名なゲームです。

 私が所有しているのはメビウス·ゲームズさんから出ている新版でデザインがポップな感じになっています。昔遊んだことがある旧版はもっと違ったデザインだった記憶がありますが、こちらの方が万人受けしそうで良いかと思います。そもそもゲームのタイトルがアレなので特に。

 コンポーネントはこんな感じです。ルールシート1枚に得点になるハゲタカードが15枚(-5から-1、1から10)と手札になるカード15枚が6組と非常にスッキリしています。他にメビウスゲームズさんの広告になっているカードが5枚ほど入っていますが、これはまぁどうでもいいですね。

 遊び方は超簡単です。ハゲタカカードをよくシャッフルして、裏面を上にして山札にします。そこから1枚めくり、各プレイヤーは手札から好きなカードを1枚プレイして、一番大きい数(もしくは一番小さい数)を出したプレイヤーがそのハゲタカカードを受け取ります。一度使用した手札は捨て札にして、1ラウンド終了です。これを15ラウンド繰り返して、山札も手札もなくなったらゲーム終了。一番得点を獲得したプレイヤーの勝利です。

 大雑把にゲームの概容を説明しましたが、面白いのはハゲタカカードの取り方です。次はここら辺をもう少し詳しく書いていくことにしましょう。

 前に少し触れましたが、ハゲタカカードがプラス(1から10)の場合、一番大きい数を出したプレイヤーがそのハゲタカカードを取ります。上の写真では青のプレイヤーがハゲタカカードを受け取ることになります。

 次にハゲタカカードがマイナス(-5から-1)の場合、一番小さい数を出したプレイヤーがハゲタカカードを受け取ります。上の写真では緑のプレイヤーがハゲタカカードを受け取ることになります。

 そして、このゲームの肝となるルールが「他のプレイヤーと同じカードを出すとハゲタカカードの獲得権がなくなる」ということです。つまり、他のプレイヤーと被ったらカードを取ることができません。これはハゲタカカードがプラスでもマイナスでも同じです。
 一番高得点である10のハゲタカカードが出た時に手札の最高値である15を使って取りにいきたいところですが、他のプレイヤーが一人でも同じ15を出してしまうと、15を溝に捨てることになってしまいます。また、マイナスカードもできるだけ取りたくないので、マイナスの大きいハゲタカカードが出た時のために大きいカードを残しておく必要もあります。ここら辺の駆け引きが面白いですね。

 上の写真の場合、赤と青と緑のプレイヤーが15を出していますが、他のプレイヤーと被っているのでカードを獲得することができません。このラウンドは最小の1を出しているのにも関わらず、誰とも被らなかった黄色のプレイヤーがハゲタカカードを獲得します。極端なケースですが、こんな漁夫の利を得ることもあったりするのです。

 また、特殊なケースとして、上の写真のように全てのプレイヤーが誰かしらと被ってしまうことがあります。この場合、誰もカードを獲得することができず、キャリーオーバーとなります。次のラウンドで新たにめくられたハゲタカカードの数値を合計し、プラスだった場合は単独で一番大きなカードを出したプレイヤー、マイナスだった場合は単独で一番小さいカードを出したプレイヤーが2枚のハゲタカカードを受け取ります。
 ここでまた誰もカードを獲得することができなければ、さらにキャリーオーバーは続きます。最終15ラウンドで誰にも獲得されなかったカードのみ流れます。

オススメ度★★★★★☆

○簡単ルールですぐに遊べる

 ルールはメチャクチャ簡単。準備も時間を取らないですし、広いスペースも必要ありません。1ゲームも10分程度で終わるので、繰り返し遊びたくなります。
 一応、二人から遊べるようになっていますが、人数が多い方がバッティングも発生しやすく、盛り上がります。四人以上いた方がいいかなと思います。

○カウントも重要

 どのタイミングでどのカードを出すのかという駆け引き·心理戦が面白いゲームですが、勝つためにはカウントも重要です。誰がどのカードを残しているかを記憶しておくことで、確実に取りにいったり、無駄なカードを使わずに済んだりします。
 そういう私は結構わからなくなってしまうことが多いのですが、経験上きちんとカウントできる人は確実に強いです。まぁ、そんなに気張らないで遊ぶ方が個人的には良いと思います。

○入手性が高い

 今回紹介したメビウスゲームズさんのものは、専門店に行かなくても、ボードゲームを扱っている量販店ならほとんど置いていると思いますし、Amazonなどの通販でも簡単に入手することができます。値段も千数百円とお手頃なので、入門編としては抜群でしょう。

なかむら ひろしのTwitter

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