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聞いたことがあるようで実はあまり知らない名曲5選

文:田渕竜也

ごきげんいかがですか?
映画、音楽を楽しむ選択肢が多様化している昨今、いまでは映画なら「Netflix」「Hulu」「U-NEXT」、音楽なら「Spotify」「Apple music」「Line Music」など配信サービスが増えている一方、選択肢が多すぎるために「一体、どれをなにを見たり聞いたりしたらいいのやら」と困ることが多くなった。それ故、むしろ以前より映画をみたり音楽を聞くことが減ったという人も少なからずいるのではないだろうか?配信サービスがまだなかった時代のそれより以前の時代の映画の一般的な見方は「テレビで映画を見る」ということだった。筆者はその今ではいなくなった「映画解説者がいたテレビ映画」が好きだった。音楽でいうと「ベストヒットUSA」なんかも好きだった。「ベストヒットUSA」ではDJ小林克也、「金曜ロードショー」では水野晴郎、「日曜洋画劇場」では淀川長治先生。彼らの豊富な知識と作品への愛に裏打ちされた彼らの解説がより一層ワクワクさせた。どんなクソみたいな映画や音楽を「これでもか!」っていうぐらいに楽しそうに語る。

そんな解説者の思いがけない視点と発見があるからこそ、名解説者の醍醐味ではないだろうか?だって今の時代にAORとかニューウェーブなんて聞かないでしょ?そんな80年代の音楽を未だにピックアップしているんですよDJ小林克也は。淀川先生がシュワちゃんを取り上げていなかったら、コマンドーもトゥルー・ライズもネタ映画として認知されていなかったんですよ。そんな本来興味がなかったジャンルや作品と偶然の出会いもいいところ。冒頭の解説によって、知らない音楽の世界、映画の世界に引き込まれ、しっかりと解説のオチの部分に深みにはまる。そんな意味で「解説者」というのは選択肢の多い時代だからこそ役割が大きいのではないかと思うのだ。

それでは今回は知っているようで知らない音楽をみなさまに5作品をご紹介していく。筆者の紹介でなにか心にくる楽曲や新しい発見が見つかってもらえれば幸いである。

谷村新司 – 三都物語

世の中には「絶妙な黄金比率」がある。例えばちょうどいい前髪の量にちょび髭、浅黒い肌。なんだろうこの椅子に座ってで歌う谷村新司の姿ってなんか面白いんだよな。こうやって座って歌う必要あるのか?なんでちょっと添えるようなマイクの持ち方をするんだ。もう全てが黄金の比率で面白い。少しでもこの比率を間違えるとただのコントになってしまう。例えば少しでもヒゲの量が多かったり、浅黒さが濃かったりするともう「水10」のコントになってしまう。そんなギリギリのラインで戦う谷村新司に漢を見た。
いい曲なんだけどね。すごく壮大で、サビになるとドッカンだし。カラオケで歌うとイントロではみんな次の曲を探してるけどサビのドッカンで手のひらクルッと反応が変わるのでカラオケで歌う曲としてオススメです。それにしてもなんか笑える。

宮川真奈美 – Always Together

みなさんは和歌山といえば何を思い浮かべますか?梅干し?高野山?空海?まぁ賢明なみなさんならパンダの繁殖ぐらいは思い浮かべるだろうか?「ああ、パンダなら上野動物園に」と言う人もいると思うが、それよりも和歌山アドベンチャーワールドだ。上野動物園でパンダが生まれたって言ってもたった一匹だろ?アドベンチャーワールドなんて15匹以上だ。もうビッグダディぐらいの差がある。そんなアドベンチャーワールド ではおなじみのテーマソング。歌詞を見るとテーマパークのCMソングと思えないぐらいのバラードなラブソング。

武井千佳 – 夢は終わらない

「夢」って便利な言葉である。何でもかんでも誰に対しても「夢を持て」なんて言って啓発をしようとするけど、明確な夢を持ってない人の方がほとんどだろう。胡散臭い経営者、意識高い人、ネズミ講の人たちは決まってこういう言葉を連呼する。「やかましいそんな胡散臭いものを売りつけるのが君らの夢だったのかよ」って思うのだが、ただ「夢」という言葉は否定しない。だけど「夢」という言葉の悪用が気に食わない。なので進路に迷う受験生諸君は「夢」という言葉を広告に使う専門学校、大学に実は若者の人気度り、会社やアルバイト先の夢を無理やりすり替えられているのではないかと一度、立ち止まって考えることをオススメする。めっちゃ話しはそれたけど曲はモロに80年代のガールズロックだよね。出だしのルートで刻むベースのリフなんかはモロにそう。聞いているとなんとなく懐かしい気分にさせてくれる。ちなみにこの立志社の入学説明会に行くとこのCDがもらえるそうです。欲しい方は是非どうぞ。

Smile.dk – Butterfly

バブリーダンスなんて滑稽な代物が謎のヒットを見せたんなら、これがリバイバルしてもいいだろ。バブリー時代よりもっとダサいユーロビートを持ち上げろよ。黒歴史にもほどがあんぞ。だって何から何までダサい。妙なウゴウゴルーガみたいなCGが当時のなんと無く謎でチャラい感じが妙にマッチしていてそれが一層にダサさを醸し出す。
かつてゲーセンに革命を起こし一斉を風靡したゲーム、ダンス・ダンス・レヴォリューションでおなじみの曲なんだけど、それにしても当時のダンス・ダンス・レヴォリューションは凄かったな。この曲はまだ初心者向けの曲なんだけど、上級者向けの曲である『パラノイア』っていう曲になるともうプレイしている人が必死すぎ馬鹿っぽくなる。必死すぎてカニみたいになっているのでよく「カニダンス」と言われていた。
ちなみにこのダンス・ダンス・レヴォリューションに収録されている楽曲群はコンピレーションアルバムとして何枚か発売されており、現在ではブックオフなんかへ行くとめっちゃ安く買えるのでドライブなんかにオススメです。

Yuki Kimura – Love & Joy

誰が仕込んだわけでもないのに、まるで学校の女子トイレの三番目に花子さんがいるのごとく、世の中に浸透している音楽というのがある。例えばこの木村由姫の「Love&Joy」がそれに当たる。だけど「Love & Joy変えてゆく。明日を変えてく・・・」というあれだ。もとは『花村大介』っていうユースケ・サンタマリアが主役を務めたドラマの主題歌だったんだけど、いつの間にかキャバクラとかの水商売なイメージになってしまった。ドラマタイアップ作品なんだけど別に特大ヒットしたわけでもないし、そもそも誰の曲かも知らない人が多いのになぜかカバーや定番曲として長年愛されている。一体なぜこの曲が謎の曲が長年愛されるようになったのかをいろいろな事象、2000年代初頭のパラパラ、ギャルの文化を踏まえて検証を試みようかと思ったがソートーめんどくさいのでやめた。当サイトでいつか特集を組むかもしれません。
ちなみにこの曲、巷ではトランスって言われているけど違うよな。一応、ダンスミュージックに詳しい人曰くこの曲は「ハッピーハードコア」っていうらしい。どうりでイントロがバカっぽいわけだ。

いかがだったでしょうか?

気に入った音楽は見つかりましたでしょうか?

最近、またユーロビートがDa pumpのヒットをキッカケにリヴァイバルしてきている。

そんな今だからこそ、またトランスやハッピーコアとかに耳を傾けるのもいいかもしれません。
そして今回紹介した音楽をきっかけにいろいろと掘っていってもらえてさらにいい音楽を見つけてもらえればなって思います。

いやー音楽って本当にいいものですね。それではまた次回。

田渕竜也のTwitter

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