Krimewatchというニューヨーク産80年代ジャパーニズハードコア
テンションが上がったその先には…
人は精神のテンションという熱がある一定の温度以上、熱が超えるととんでもない行動をとったりする。例えば、ハードコアなバンドのライブなんかはそうで普段は寡黙な人がひとたび、ステージに上がればその瞬間にパンクスになってライブの客と殴り合いの喧嘩をしていたり、炊飯器の中に脱糞しようとする人がいたり、電動のこぎりを振り回して自分の足を切ったりなどその理性が完全にドライブ状態になってしまった精神状態はその場の熱気とともにさらに行動がブーストがかかる。このブーストがかかった状態を「こわれもの」という。無論、ステージに立っている人そうなのだから、観客であるパンクスももちろん「こわれもの」状態である。「こわれもの」だからこそパンクスはモッシュやダイブさらには喧嘩になったと暴動状態になったりする。しかしそんな「こわれもの」もライブが終わり、熱が冷めればただの人に戻る。
今では信じられないかもしれないけど、80年代の日本パンクスはライブハウスで殴り合いは常で、気に食わないバンドのライブはパンクスが潰しにくるなんてことがあった。そういうことがハードコア系バンドマンの伝説、神話となり、今ではどこまでが本当の話でどこまでが嘘なのかわからない。デトロイトメタルシティのクラウザーさん状態だ。
そんなわけで人は熱がおびて理性をぶっ壊してしまえばクスリがなくてもぶっ飛ぶんでしまうのである。まるでスターリンの『ロマンチスト』の歌詞のようである。
今回はそんな熱をおびていた日本の80年代パンクスたちを彷彿とさせるバンドがこのIoTとかAIなんかの時代である21世紀にいる。そのバンドとはKrimewatchだ。
やっぱ金八先生ってクソだわ
ここで少し個人的な話になる。先日の久しぶりに祖母の家に行ったんだけど、そしたらリビングの机のうえに「krimewatch」のCDが
おいてあった。予てから「大御所というだけで威張り散らす演歌ときったないロン毛で説教をたれる金八先生こと武田鉄矢は嫌い、ついでに何がしたいのかわからないエヴァンゲリオンは嫌い」と言っていた祖母だけど、どう考えても80超えた老婆がハードコアを聞くなんて思えない。
格付けチェックでYoshikiとGacktの区別はができるぐらいYOSHIKIは好きみたいなんだけど。
まぁ話を聞いてみれば、このバンド、私のいとこがアートワークに関わっているらしい。まぁどうでもいい話ですね。
KRIMEWATCH – Krimewatch
Krimewatch -FULL SET-
紛れもなくあの頃のハードコアサウンドである。メロコアとかそんなんじゃない。G.I.S.MとかThe StarlinとかInuそしてcomesみたいな熱しかないようなパンクスである。そんな80年代日本ハードコアを彷彿とさせる本当にきったない音色の音源。それでいておしゃれで奇をてらった踊りや日テレのバラエティ番組ばりにテロップがでてくる歌詞なんて一切ない。本当におしゃれ要素ゼロ。しいておしゃれをいえばボーカルの深夜のドンキホーテにいそうなジャージ姿ぐらい。その上、このバンド、完全に今の時代のデジタルな要素とかもほとんどゼロ。やってるとしたらBadcampとYoutubeぐらい。サウンドに関してはは本当に流行りからは完全に逆行している。
すべてにデストロイ
それにしてもうんざりしてしまう流行の流れとしてなんとか高校みたいなダンス部を見ると釘バットでデストロイして中指突き立てたくなるのは筆者だけだろうか?なにがバブリーダンスじゃ。あんなもん北朝鮮のマスゲームとなにがちがうんだっての。まだ、ダンスダンスレヴォリューションで踊り狂うオタクとかおやじのほうがまだかっこいいよ。
ついでに米津玄師の「レモン」を歌ってネタにしている一般凡夫たちの動画やサムネイルのかわいい女の子だけで一本釣りしてくるクソ動画もすべて釘バットでデストロイじゃ。
そんなことよりもハードコアの熱に酔い痴れろ!
まぁ、こういう人間のためにもこういうきったないおしゃれ要素ゼロなハードコアは必要なのである。
パンクスはバカじゃない
G.I.S.Mの横山SAKEVIさんのボーカルスタイルがデスメタルに影響を与えたことは有名な話だけど、Krimewatchは80年代の日本のパンクスの「熱」と文学性、アングラ性に影響されたというアプローチでニューヨークから返答している。
楽曲も「小便たれ」とか「ゴキブリ男」と日本語のナンバーもあって、今のフェスのノリだけの某Tシャツ屋さんよりもはるかに言葉のセンスと文学センスがある。意外かもしれないけど、パンクスって結構文学な人たちが多いんですよね。遠藤ミチロウ然り町田 康然り。青春パンクブームあたりからだろうか?パンクの知能指数がファンキーモンキーベイビーズの歌詞みたいになってきたのは。まぁそれはそれでいいとしてその辺の話はもういいや。「みっともないから、じゃまするな〜♪」が頭から離れない。
終わりに
万人には勧められないとは思うけど、一度はこういったギターのリフが散らかった上にボーカルが絶叫して叫びまくるハードコアを体験してみてはいかがだろうか?愛だの恋だの失恋にメンヘラだのそんな音楽を聴くよりよっぽど健全だと思います。
ちなみにCDはどこも売り切れているそうなのでBandcampやYoutubeでのライブの映像で見ることをおすすめします。ライブもバンド側と観客側の理性がぶっ壊れててかっこいいです。
それではまた