世界で最もヒットした『カタンの開拓者たち』はやっぱり面白い

文:なかむら ひろし

 今回はボードゲームクラスタの方で知らない人はいないであろう超有名ゲーム『カタンの開拓者たち』を今さらながらご紹介したいと思います。

 このゲームからボードゲームにハマったという人もきっと多いはず。実は私もそのひとり。
 昔からボードゲームは好きだったわけですが、コンピュータゲームの『信長の野望』が当時とても好きで、ボードゲームも『ウォーゲーム』というジャンルばかりやっていました。ただ、この『ウォーゲーム』って奴は本当に面倒臭いんです。移動や攻撃、命中や被害なんかを計算するのにすごく時間がかかり、ちゃんとプレイしようと思ったら本当に1日潰れます。
 そこでもう少し軽いものはないかとボードゲームを調べていると、『カタンの開拓者たち』というゲームが面白いという話をネットで見かけたんですよね。ジャンルは違えど、同じボードゲームだったので、そこから興味を持ち始めた感じです。

 そんな訳で私の所有しているものは10年以上前にトライソフトさんから発売されていた旧版になるわけですが、ゲームの内容は変わらないので、特に問題はないでしょう。
 現在流通している新版はどうか知りませんが、旧版はルールブックが非常に解り難かったので、今回は少しでも解り易くルール解説をできたら良いなと思います。果たして、どこまでできるか···

◎ゲームの内容

 ゲームの設定としては『カタン島』という無人島を開拓していき、最も発展させた人が島の支配者となるのだ!っていうようなシンプルなお話です。具体的には一番早く10勝利点を獲得したプレイヤーが勝者となります。
 プレイヤー数は3人から4人となっていますが、4人で遊ぶのがベストでしょう。後述しますが、交渉が肝になってくるので、奇数だとあんまりなんですよね。

◎マップの作成

 ゲームを始める前にマップを作ります。プレイする度にマップが変わるのがこのゲームの魅力です。マップの作り方にもいくつかルールがあるのてますが、最初は初心者用マップで遊ぶ方が良いので、ここでは割愛します。
 マップが完成したら、1枚だけ存在する『砂漠』の地形タイルに黒い『盗賊駒』を置き、各プレイヤーが担当する色を選び、『都市』『開拓地』『街道』の木駒をすべて受け取ってゲーム開始です。

◎初期配置

 まず、適当な方法でスタートプレイヤーを決定します。ルールブックには最年長者と書いてありましたが、そこは別にどうでもいいです。

 スタートプレイヤーはマップに開拓地をひとつ配置します。配置できるのは『地形タイル』の頂点の部分です。開拓地を置いたら、その頂点に繋がる辺の部分に街道をひとつ配置します。これを時計回りに全プレイヤーが行いますが、二人目のプレイヤーからは開拓地、街道を配置するのに制限がかかるので、注意してください。

 まず、開拓地は既に他の開拓地がある頂点はもちろん、他の開拓地と隣接した頂点には配置できません。これは他のプレイヤーの配置した開拓地だけでなく、自分の配置した開拓地も同様です。
 上の写真の場合、赤のプレイヤーが既に置いている開拓地に隣接しまうので、橙のプレイヤーは開拓地を置き直す必要があります。

 全プレイヤーが開拓地と街道をひとつずつ配置したら、今度は先ほど最後に配置したプレイヤーが二つ目の開拓地と街道をひとつずつ配置します。この時、配置した頂点に接する地形タイルに対応する資源カードを1枚ずつ受け取ります。

 資源が手に入る地形タイルは丘陵、牧草地、耕作地、山脈、森林の5種類があり、それぞれ粘土、羊毛、穀物、鉱石、木材が手に入ります。数字チップが乗っていない砂漠タイルと海タイルからは資源が産出されません。

 二巡目は反時計回りに全プレイヤーがふたつ目の開拓地と街道をひとつずつ配置していきます。スタートプレイヤーが最後に二つ目の開拓地と街道を配置することになりますね。

◎資源の獲得

 先ほどチラッと書きましたが、勝利条件は一番最初に10勝利点を獲得することです。マップに街道や開拓地、都市を建設することで勝利点を得ることができるわけですが、その建設に必要になるのが資源です。

 スタートプレイヤーは手番開始時にダイスを2個振ります。出目を合計し、その数字が7以外なら同じ数字チップが乗った地形タイルを探します。その地形タイルの頂点に開拓地を配置しているプレイヤーは、その地形に対応した資源カードを1枚獲得することができます。
 これは誰がダイスを振ったかは関係ありません。手番プレイヤーは資源を獲得できず、他のプレイヤーだけが資源を獲得することもありますし、誰も資源を獲得できないことだって起こり得ます。ダイス運に左右される部分はありますが、初期配置が非常に重要になってきますね。

 例えば、ダイスで『8』が出た場合、上の写真だと赤と白のプレイヤーは鉱石、青と橙のプレイヤーは粘土をそれぞれ1枚ずつ獲得します。これは、誰の手番であっても(誰がダイスを振ったとしても)同様です。

◎『7』が出たら

 最も出る確率は高いが、数字チップが存在しない『7』が出ると特殊な処理を行います。

 まず、資源カードを7枚以上持っている手番プレイヤーを含むすべてのプレイヤーは、手札が半分になるように任意の資源カードを捨てなければいけません。(手札が奇数の場合、端数は切り上げます。7枚だったら3枚捨てます)あまり資源を溜め込み過ぎても良くないわけです。

 次に手番プレイヤーは、盗賊駒を資源が産出される任意の地形タイルに移動させます。砂漠や海タイルに配置することはできません。
 そして、移動先の地形タイルに開拓地を置いているプレイヤーからランダムで1枚資源カードを奪います。(複数のプレイヤーが対象になる場合、誰かひとりを選びます)手札がバーストさえしなければ、確実に資源カードが1枚手に入ることになります。
 盗賊駒が置かれた地形タイルからは、再び盗賊駒の移動が起こらない限り、資源カードを得ることができなくなります。これで他のプレイヤーを妨害するわけです。

◎建設

 必要な資源が揃ったらいよいよ建設です。建設に必要な資源は『建設コストカード』に書かれているので、覚えなくても大丈夫です。

・街道

 建設することで勝利点を得ることはできませんが、開拓地は隣接した地点には置けないので、必要になってきます。配置のルールとしては、自分の開拓地または街道に隣接する『辺』に配置することができます。


 また、建設することで勝利点を得ることはできないと言いましたが、一番最初に一筆書きで5本の街道を繋げたプレイヤーは『最長交易路』というタイルを獲得します。これが2勝利点になります。

 但し、他のプレイヤーがより長く街道を繋げたり、他のプレイヤーの開拓地によって街道が分断されたりした場合、このタイルを引き渡さなければならなくなることもあります。
 上の写真の場合、赤のプレイヤーは橙のプレイヤーによって街道を分断され、連続した街道は4本になってしまったので、『最長交易路』を橙のプレイヤーに引き渡すことになります。

・開拓地

 建設することで1勝利点を獲得します。ゲーム開始時に2つの開拓地を持っているので、最初から2勝利点を持っていることになりますね。他の開拓地と隣接しておらず、自分の街道と隣接している地点に配置することができます。
 街道の項目でチラッと書きましたが、上記のルールされ守られていれば、他のプレイヤーの街道の間に開拓地を配置することができます。この点を注意して建設を行うようにしょう。

・都市

 開拓地をグレードアップすることができます。2勝利点を得ることができますが、開拓地と置き換えるので、実質1勝利点が加算されるだけと考えてください。ただ、新たな土地や街道を必要としませんし、ダイスを振った時に得られる資源カードが2枚になるので、恩恵は大きいです。

・発展カード

 様々な有利な効果を発動できる発展カードを山札から1枚引くことができます。引いたカードは、次のラウンドから使用することができます。また、使用できる発展カードは1ラウンドにつき1枚のみです。
 入手した発展カードは裏を向けて自分の前に置いておきます。手札とは別でバーストの対象にはなりません。使用したらカードは捨てずに表を向けて自分の前に置いておきます。もちろん、再びカードの効果を使用することはできません。

◎発展カードの種類と効果

・騎士カード(14枚)

 盗賊駒を任意の場所に移動させ、その土地に開拓地または都市を配置しているプレイヤーからランダムで1枚資源カードを奪うことができます。ダイスで『7』が出たときの効果とほとんど同じです。唯一異なるのは手札のバーストが起こらない点です。

 この『騎士カード』を最初に3枚使用した(引いたではなく)プレイヤーは『最大騎士力』というタイルを獲得します。『最長交易路』と同様、2勝利点になりますが、他のプレイヤーがより多くの騎士カードを使用した場合、引き渡すことになります。

・進歩カード

 進歩カードは3種類、それぞれ2枚ずつあります。

『発見』(2枚)

 使用すると任意の資源カードを2枚獲得することができます。同じ種類を2枚でも別々の資源カードを取っても構いません。

『街道建設』(2枚)

 使用することで街道を2つ建設することができます。街道の配置ルールに従ってください。

『独占』(2枚)

 使用する際、任意の1種類の資源を宣言します。他のすべてのプレイヤーはその資源カードを持っていたら、その資源カードすべてを独占カードを使用したプレイヤーに渡さなければいけません。手札は公開情報ではないので、独占カードを使用するときはたくさん出回っている資源をよく覚えておきましょう。性格が悪い···いや上手いプレイヤーは交渉した後で使ったりします。

・勝利点カード(5枚)

 このカードのみ、使用する必要はありません。持っているだけで1勝利点を得ます。このカードをたくさん引けると一気に勝利に近づきます。そのため、発展カードをたくさん持っているプレイヤーはめちゃめちゃ警戒されます。他のプレイヤーの持っている発展カードはすべて勝利点カードだと思って対応するのが基本です。

◎交易

 どうしても手の内だけでは足りない資源が出てきます。そんな時、手番プレイヤーは他のプレイヤーと資源カードを交換することができます。交換レートは自由に交渉してもらって構わないのですが、「ただであげる」ことはできません。例えば、木材2枚と木材1枚なんていうトレードも禁止です。
 交渉こそがこのゲームの肝です。交易を行うと手が進みますが、相手も同じように手が進みます。また、目に見えてリードしていたりすると交渉さえしてくれなくなることも。そんな時にロジカルに挑むも情に訴えかけるもあなた次第というわけです。ただ、交渉に関してひとつ言えるのは、可愛い女の子が超有利ということ。割りと本気で。

◎海外貿易

 どうしても交渉が上手くいかない、そもそも欲しい資源が流通していないなんていう時は、相手がいなくても山札と資源を交換することもできます。交換の方法は同じ種類の資源カード4枚を捨てることで、任意の資源カード1枚を得るというものです。
 ただ、このトレードはレートが最も良くありません。そんな時に利用したいのが『港』です。海タイルの半分には港が付いています。この港に開拓地または都市を配置しているプレイヤーのみ港を利用することができます。


『一般港』

『専門港』

 港には『一般港』と『専門港』があります。『一般港』は同じ種類の資源カードを3枚捨てることで、任意の資源カードを1枚獲得することができます。『専門港』は指定された(港に描かれた)資源カードを2枚捨てることで、任意の資源カード1枚を獲得することができます。特に専門港を上手く使うことができるとゲームを有利に進めることができます。

 注意点としては、『交易』にしても『海外貿易』にしても行うことができるのは、手番プレイヤーのみです。手番プレイヤー以外はできません。

◎手番で行うことができるアクションのまとめ

必ず行うアクション
・最初にダイスを2個振って、資源を獲得する

任意のアクション
・建設、交易、海外貿易を行う
・直前のラウンドまでに引いた発展カードを使う 

 やることがなくなったらパスを宣言し、左のプレイヤーに手番が移ります。これを繰り返して、誰かが10勝利点を獲得した時点でゲーム終了です。

 長々と説明してきましたが、手番で行うアクション自体はそんなに多くありません。1回でもプレイすれば、きっとルールは理解できると思います。
 やってみるとそんなに難しくないのですが、意外と説明が難しくて、上手く書けた自信はありません。質問があれば、お気軽にどうぞ。

◎総評

オススメ度★★★★★☆☆

○ボードゲーム好きならみんな知ってる

 中量級ゲームの入門編として抜群。ボードゲームを嗜む方でルールを知らない人は恐らくいないと思うので、周りにそういう方がいたら丁寧に教えてくれるはず。ボードゲームカフェに足を運ぶのもありかも。プレイ動画なんかもたくさんあるので、そちらも参考にしてみては。

○高い入手性

 やっぱり入手性の高さは大きなポイントになります。ボードゲームを扱っているお店で置いてないところはないはずです。ボードゲームってまだまだ市場規模が小さいので、面白いゲームがなかなか手に入らないことがあるんですよね。

○運と実力のバランスが絶妙

 運だけでも実力だけでも勝てないのがカタン。また、交渉という要素もあって、トークも盛り上がります。ただ、古いゲームということもあり、個人攻撃みたいなことができちゃうので、そこら辺を嫌う人もいるかもしれません。まぁ、強い人が警戒されて、自然とハンデ戦みたいになるのは仕方がないのかななんて思います。ボードゲームは勝つことだけがすべてやないんやで。

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