/ 現代社会の闇

アットホームな職場の正体

文:なかむら ひろし

 2019年、初めての投稿です。1月も終わろうとしていますが、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。年末年始は忙しかったのと、最近は胃腸炎によりダウンしていたという言い訳をしておきます。まあ、そんなことより、さっさと本題に入ることにしましょう。

 正社員やアルバイトに関わらず、求人サイトや求人誌なんかを見ていると、『アットホームな職場』なんていうフレーズを一度は目にすると思う。これを見てどう感じるかは人それぞれなんだけど、労働者同士が和気藹々としているなんて良いことじゃないかという人も意外と多いんじゃないだろうか?

 『アットホームな職場』というのは『使用者が労働者を家族のように扱う』と言い換えることができる。所謂『家族的経営』という奴で、これは昭和、特に高度成長期に流行った文句だ。労働力が不足していて、労働者に辞められては困るということから、『年功序列』や『終身雇用』と共に誕生した。

 まず、ここから窺うことができるのは「募集してくる人が少ない、魅力がない職場」もしくは「離職者が多い職場」ではないかということだ。理由は様々なので、一概には言えないが、他にアピールできるポイントがなかったり、報酬に見合わない過酷な業務を強いられる職場なのかもしれない。

 次にアットホームの危険性を述べておこうと思う。あなたは他人の家庭の中で生活して居心地が良いと感じるだろうか?既に出来上がった仲良しグループの中に放り込まれる転校生の気持ちを想像できるだろうか?コミュニケーション力に長けている人ならそれほど苦にならないと言うかもしれないが、『よそ者』として参入して『家族』として認められるのはなかなか骨の折れることだということを認識しておきたい。
 家族として認められるには、親や兄、姉に対して常に献身的である必要がある。言われたことをやるのは当たり前、言われたこと以上のことを求められることだってある。見られているのは仕事の出来不出来だけではない。企業ないし部署、店舗などの業績を気にしたり、他の労働者の負担を考えて、サービス残業や休日出勤だって辞さない覚悟が必要だ。だって家族なんですもの。

 『アットホームな職場』と書かれていたら、必ずこんな職場だというわけではないし、あまりにピリピリしていても居心地が良いはずもない。ただ、文字数制限のある求人誌なんかにわざわざこんな文句を入れる必要があるのか?という背景をもう少し考えてみる必要はあると思う。これは労働者だけでなく、雇う側も同じである。

なかむら ひろしのTwitter

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