平成の終わりと2010年代の肖像
「新元号になったらなにしますか?」っていう話の流れにはほとほとバカだなぁって思ってしまう。なんもしねぇよ。背中にある人生やる気スイッチでもおしてくれるのかっていう話ですよ。
テレビ、雑誌、インターネット、会話の流れ・・・等、どこをどう歩いていても今はこの新元号の話題で一色だ。正直もううんざりしてしまっている。
別にそういう話題を出すなということではない。
ただつまらんことを何回も繰り返すなということを言いたいのだ。
僕はメダロットの頻繁に敵と戦闘になってしまうエンカウント率にはほとほとうんざりさせられた身です。戦闘は長いし歩けば二、三歩でエンカウントしてしまったりして「もうやめてくれ」と子供の頃にメダロットは諦めてしまった。そしてゲームボーイをぶん投げてしまいました。当時のゲームボーイってすごいですね。雑に扱っても壊れないし、いまだに僕の実家のクローゼット奥にはそのゲームボーイが眠っている。人のメンタルもこのぐらい丈夫だったら…。
それくらい繰り返されるエンカウント率に耐久性のない奴に、何度も「令和になったら」や「平成を振り返って」って繰り返されるとうんざりしてきてしまうのである。
新元号・令和の話題はすごいエンカウント率である。SNSをひらけば令和大喜利、テレビを見れば平成史を振り返り、書店でも平成を振り返る。本当にどこを見ても平成を振り返ったり、令和クソ大喜利にエンカウントしてしまうから最近ではこれがストレスになってしまっている。
「元号が変わったら何をする?」ってどのみち元号が変わろうが変わらまいがお前らのクソSNSでクソリプ垂れ流す生活なんてなんも変わらねぇっての。僕たちは終わりなき日常を生きているんだよ。
しかし新元号の話題にうんざりしているとはいうものの、僕はこの話題に対して一点だけ関心を持っているものがある。
それは平成史を振り返るといっても10年代の総括にはなっていないということだ。みなさん忘れていませんか?来年で2020年ですよ。ということは2010年代が終わってしまうんですよ。一つの区切りですよ。しかもこの10年ってものすごく変化のあった年代だからこの時代の総括を無視することはできない。
そこで今回は2010年代を振り返って見ることが本題である。
今から10年前、時は2009年になる。インターネットの動画サイト界ではニコニコ動画とYoutubeがしのぎを削っていた。ニコニコ動画では東方アレンジ、初音ミク、チャージマン研!など動画がヒットしていた。
視聴者たちによる日本のインターネットの独特なノリ、なんとういうかイワシの群れみたいな流れるコメントが当時、人々を惹きつけニコニコ動画の勢いはまさに破竹の勢いだった。
この頃はまだ「Youtuber」なんて言葉はまだ耳にしていなかった。あったかもしれないけどYoutubeはまだ動画をだだ流しにしている動画コンテンツの一つにしか僕自身は思っていなかった。Hikakinはヒューマンビートボクサーとして動画は投稿していたみたいだけど、当時のバンドマンはニコニコ動画の方が「弾いてみた」や「歌ってみた」を投稿する人が多かった記憶がある。
しかし今ではどうだろうか?ニコニコ動画はもはや脱サラした元サラリーマンの人のいないオーガニックカフェ状態である。特色が強すぎるものって飽きるとあっという間なんですよ。
ニコニコ動画の流れるコメントって一見新鮮味があって面白いと思うんだけど、これがずっとだと飽きる。僕もこのコメントに飽きたわけであまり見ることがなくなった。
だけどこの「流れるコメント」をなくすとどうなるかというともはやそれはニコニコ動画ではなくなってしまう。
そう、人がいないオーガニックカフェでオーガニックなものが売れないからといって全然オーガニックじゃないトリスハイボールを置いたり、タコの唐揚げを置いたりして普通の居酒屋になってしまったら余計に人が寄り付かなくなってしまうのと同じなのである。
だから特色が飽きられた時点でニコニコ動画のこの先って、厳しい道のなのは間違いないのである。
Youtubeに動画クリエイターが流れていった分岐点として2011年にYoutube Liveを始めたあたりからじゃないかと思う。それまで生でネット配信といえばニコニコ動画のニコ生だったんだけど、やっぱり人間って金が欲しいじゃないですか。
人気者になったのはいいけどその先ってやっぱり収益である。だからニコニコ動画で人気だった人たちはみんなYoutubeへ行ってしまった。そりゃ、インドの人が数学やプログラミングに実力のある人がアメリカへ行ってグーグルに就職しようとする人と同じでやっぱり自分の実力は収益化したいのは人としての性である。
だからこの二点で両者が競い合うレースはどんどんと距離は離れていった。
そして今の動画サイトはYoutubeほぼ一強状態になっていると思う。
皆さんの家の周りにはTSUTAYAやGEOはありますか?私がよくいっていたTSUTAYAは無事、閉店してしまいました。だけどやたらと『床ジョーズ』や『エクスペンシャブルズ』など変なエロ映画は置いてあるGEOはまだ生きています。
ここ二、三年で音楽、映像レンタル店はものすごい勢いで閉店していっている。
全ての要因はAMAZON PrimeをはじめとするNetflixやSpotify、Apple Musicなどの月額で聞き放題、見放題のサービスが台頭してきたことにある。だってNetflixやSpotifyなんて月1000円ぐらいで音楽、映像見放題だしAmazon Primeに関しては月500円ぐらいで音楽、映像だけではなく宅配、送料など様々なサービスを受けることができる。もはやチョコボの不思議なダンジョン2に付いてきたFF7のデータディスク状態だ。
よくレンタル屋を終わらしたのは無断配信のせいだと言われている。確かにその影響はあるだろう。そもそも金を払わない、なんでも無料がいいっていう人は一定数いるからね。
相席屋でただ食いしようとする女の人なんてそんな人たちだ。その人たちのことを「芸をしない猿」と言います。はい、僕が今名付けました。
話は戻して、無断配信の影響は確かに強いだろうけど、完全にトドメを刺したのはこのコンテンツの月額サービスだ。お金をちゃんと払う人たちがみんなこっちへいってしまったのだ。じゃあもう店に行く手間もないしコンテンツは腐る程ある。
僕の周りでも飲み会へ行くよりも「家帰って、Netflixでリック&モーティでも見よ」って人が多くなってきた。
それほどこのコンテンツの月額サービスは僕らの生活レベルで影響を与えたと思います。
例えば今、オードリーの春日に怒っている人っていますか?高々、芸能人の浮気。自分には全く関係ないのにマジになって怒ってるやつ。しかも犯罪でもなんでもないただのゴシップ。
多分、ディズニーランドのミッキーマウスに中の人なんていないって思っているピュアすぎるバカと同じなんだろうなって。少なくとも僕の周りでは春日や同じ不倫仲間のゲスの極みを見て叩こうだとかクレームをつけようだなんて思う人はいない。
まぁ彼らは有名人だから叩かれるっていうのもある。だけど「叩く」ことによって「炎上」する流れってここ数年で随分と形が変わってきている。ある人が叩き、叩いてる文章を見つけた人がさらに拡散させ炎上の炎をさらに拡大させる。もはや放火魔である。
Suchmosが紅白でのパフォーマンスの際、「臭くて、汚ねぇライブハウスからきました」と言ったことで炎上したことがあった。炎上させている人たちの意見は「ライブハウスの人に失礼」が多かったけどお前らライブハウスに行ったことがあるのかと。ライブハウスのすべてとは言わないけど臭くて汚いですよ。バンドマンはこんな場所に一回3万近く払ってライブをやってるんですよ。だけどこれが楽しい場所なんですよ。
だけどなんか勘違いしている人たちが「失礼」と炎上させる。もう城島茂のように「素人は黙ってろ」と言ってやりたくなる。普通に見ていればすげえカッコイイセリフだったんだけどな。
Suchmos “In The Zoo”
この曲も結構炎上したらしい。みんなおしゃれなSuchmosを期待したんだと。おしゃれなSuchmosももちろんカッコイイけど、僕個人としてはこのKing crimsonみたいなSuchmosはもっとカッコイイと思います。
ノイジーマイノリティーって言葉がある。どうやら少数意見だけど声がうるさい人たちのことを指す言葉らしい。別にこの人たちが悪いとは僕は言わない。だけど一番厄介なのはこの少数意見を使って炎上させているやつらだ。
他人の意見をリツイートしまくっている人とかいるけどこれが炎上させているやからの一部なのだろう。
終わりに
なかなか今回の記事の落とし所が難しんだけど、今回の話をまとめると世界が手のひらサイズに収まる時代になったのが2010年代だったと思う。2010年代のキーアイテムになったのはスマホだ。情報収集も映像や音楽も仕事ももう手のひらサイズで収まるようになった。こんな化け物じみたアイテムが今では国民のほとんどが手にしているのである。
みんな情報に飢えているから炎上する記事に興味がある。人間って幸せな話題よりも不幸に落ちた人の話の方が好きだからね。だからみんな炎上ネタが好きなんだろうと思う。
みんな暇だから動画サイトで時間を潰し、月額動画サービスでウォーキング・デッドをみたりしている。まぁ、情報のストロングゼロとでも思ってもいいと思うけどね。
もうすぐで2020年代の世界である。こんな世界を想像していましたか?僕の子供の頃の未来予想図では車ぐらいは空を飛んでいると思っていました。だけどそれもまだまだ先のようです。エヴァに乗る人もいないそうです。
2010年代のスマホの世界なんて誰が予測できただろうか?こんな未来、誰も予測できなかったと思う。ジョン・タイター、お前の未来予想図は全部ハズレてんぞ。
5年後の世界
皆さんにとってはどんな2010年代でしたか?
それではまた。