消えていく地下アイドル。魔法少女としての賞味期限。
ふと、暇つぶしにケータイをいじっていたら「神様の嘘。解散」と見出しがあった。なんだか見覚えあるなと思うと約半年前に彼女たちについての記事を書いていた。
所謂、地下アイドルなんだけど、アイドルと名乗る人口って星の数ほどいるし、この界隈はいつも解散又は病気になって誰かが脱退、からの解散がほぼ毎日のようにどこかで散っていっている。そしてまた新たなグループが出来てはまた散る。まるで梶芽衣子の恨み節みたいな話だけどこれが地下アイドル業界では日常茶飯事だ。掃いて捨ててまた生まれては死んでいく。
そもそも地下アイドルってなにかって言うと、小規模のライブハウスで活動するアイドルのことを指す。インディーズバンドのアイドル版と考えれば判りやすいかと思います。
正直言うと僕個人の好み的にアイドルによくあるあの独特な歌い方が苦手である。なんというか聞いているだけで脳細胞が死滅していくようなあの声。おい!その声、やめろ!ずっと聞いていたらオギャオギャ赤ちゃん人間カーニバルになってしまうよ。
ただ声の好みに関してはなんとも言えない部分もたしかにあって普段、ハードコアやデスメタルを聞かない人にそういうのを聞かせたら「気持ち悪い」「うるさい」って一脚されるし、多分、慣れというのがあるのだろうと思う。
そう、慣れればいけるんだろうね。
まぁ個人の好みはともかくとして話を戻すとアイドルというものはすぐに解散してしまう。特に地下と名乗るアイドルなんて毎秒でメンタルヘルスを患ってメンバーの関係がギスギスして解散なんてことが起きている。
今回はこのアイドル解散問題について考えてみたい
そもそもでいうと成功している地下アイドルって本当にいないんですよ。そう、今、あなたが応援しているアイドルが武道館なんて想像できますか?「いけるか!大阪!」って言ってもせいぜい多くて30人ぐらいなもん。しかもこの数ならアメイジングクラスの数。ど平日にイベントを見てくださいよ。二、三人に向かってそんなこと言ってるんですよ。
それにアイドルってやつはライブが多い。そりゃそうだチェキ代で稼いで忘れられないようにひたすらイベントをやるのが地下アイドル、もしくはヴィジュアル系バンドだ。
それで何が起きるか知ってますか?何にも起きないんですよ。今、メディアに登場しているアイドルなんてメジャーシーンのアイドルであって、地下なんて売れないバンドよりも悲惨といえば悲惨である。
それから成功しないバンドによくありがちなんだけど、結局どこに目標を置くかが不透明な集団って長く持たすのってできないんですよ。
なぜかって、今、集団で何かやっているとしてその集団がどこに向かっているかわからない状態で何かをやるって結論から言えば無理。例えばバンドなら東名新ツアーでライブハウスを満員にするまでの計画とか何か目標をもってないと絶対に空中分解が起きて誰かが欠員ができた瞬間に消滅する。これは間違いない。
特に地下アイドルって名乗る集団って目標が不透明な場合が多い。というよりメンバー間のやりたいことの温度差が激しいと思う。ダンスで何かをしたいのか、歌で何かをしたいのか、容姿で何かをしたいのか。全くよくわからない。
それでただただ歌って親父に煽てられて結局、何がしたくて地下アイドルをやっていた。なんてわけわからなくなって終わるなんてケースがほとんどじゃないかな?
ひょっとしたらこれ全部、僕の極端な地下アイドル像なのかもしれないけれど多分、地下アイドルファンじゃない人間からすればおおよそ9割ぐらいがこれが地下アイドルのイメージ像かと。
だから目標が不透明ってある意味、可能性ゼロに匹敵する。だって何に努力すればいいのかわからないからどこに努力をすればいいのかわかってない。だからいくら努力しても何をかけてもゼロはゼロなんですよ。いくら頑張り5であってもかける先がゼロではなんの意味もない。だから成功が難しい。
あとアイドルが長く持たないの理由としてはステージ上の魔法少女としていられる期間が極端に短いということが挙げられる。同じステージに立つ「バンド」っていうやつは何歳になってもやっていける。おそらくだけどここがバンドの賞味期限との大きな違いかと思う。バンドなんてものは10歳からでも始められるし60、70歳になってもギターをかき鳴らしている爺さんやロックオヤジは結構いたりする。だからバンドというものはやっている人が限界を迎えてやめるか死ぬまでやるかっていうぐらいに寿命が長い。
だけどアイドルとなれば話は違ってくる。
おジャ魔女どれみってアニメがあるじゃないですか。あれって小学生、中学生が主人公だから成り立つビジュアルなんじゃないかと。なぜ突然こんな話を繰り出したかっていうとツインテールって髪型の狂気性に満ち溢れている。いや、なんていうかあの髪型って本当に魔法少女じゃないですか。普通に街中で大人があれをやっているのを見るだけでも「うおっ」って一歩引いてしまう。あれをやってまだまともなのは場末の風俗嬢かAV女優もしくはメイド喫茶の店員ぐらいなもんだろう。それ以外はマジでやばい。
まぁ要するにアイドルというヴィジュアル事態にもつ賞味期限って言っちゃ悪いけどめちゃくちゃに短い。さっきツインテールの例を挙げたけどあれって典型的な現代アイドルの特徴的だと思うんですよ。ここでいうアイドル的ヴィジュアルとは何かというとぶっちゃけて言えば幼稚性、甲高い声、元気はつらつなど「ロリータ志向」のこと。もちろんここにはツインテールも含まれている。僕が嫌いだと言っている例のアイドル的要素。変態的とかエロティズムとかそういうのじゃなくてあくまでヴィジュアルのイメージだ。この「ロリータ志向」が俗に言う魔法少女と同じようなヴィジュアルをしている。
だからアイドルっていうものは極端に寿命が来やすいのではないだろうか。一般的にアイドルの賞味期限は4、5年と言われている。だいたいが14歳ぐらいでデビューして19、20歳ぐらいでフェードアウトしていく形。スゲー短いと思うけど魔法少女基準で考えたら20歳になっても訳のわからん敵と戦うハメになってるようなもん。そう考えるとエヴァQのアスカってスゲーよな。28歳になってもなおもエヴァ世界の謎の敵と戦っているんだから。
だからアイドルとして成功するならはじめのスタートが肝心じゃないかな。地道な活動ではあっという間に魔法少女から魔女に変わってしまう。
確かに最近のメジャーアイドルを見回したら結構二十代後半の人はいるかと思いますよ。でんぱ組の人が32歳は流石にビビりましたけどね。だけど彼女たちはメジャーなんですよ。だからもしアイドルとして成功したいなら大手のプロダクションへ行くことがやっぱり近道ではないかと思います。
現に今の売れてるアイドルグループを片っ端から見てくださいよ。地下を自称するBish、坂道系、ZOC。大抵はどっかの事務所所属している。当たり前の話だけど事務所が出かければでかいほど可能性が大きいのは当たり前の話。だから地下アイドルでのし上がっていくなんてのは不可能ではないにせよ限りなくゼロに近い仏教の境地なんですよ。
ミスid参加経験なんて正直言ってチンパンジーでも出れる。あれに出たからって可能性が開かれるわけなんかじゃない。むしろあんな何のコンテストなのかわからなくなったものに出てしまう自分の自傷的ともいうべきものに難がある。
わかりましたか?だからあなたが応援しているアイドル、あなたが所属している地下アイドルも多分、もってあと半年ぐらいなもんでしょう。
じゃあ地下アイドルはダメなのかという話なのかと思われるかもしれないけどちょっと待ってほしい。音楽をやるのも自由だし、ダンスをするのもチヤホヤされるのも自由だ。いや、活動する動機なんてもんは自由でいい。好きだから、やりたいからで十分だと思う。
最初に目標がないと成長できないと言ったけど、それはあくまで上を目指す場合の話だ。好きでやるならそれでいいじゃないですか。楽しいならいいじゃないですか?別に人に迷惑をかけているわけでも何でもないわけだし。
ただですよ。ただ僕が注意して欲しいのは地下アイドルというビジネスで人をダシにしている大人たちが確実にいるんですよ。使い捨てカイロみたいにアイドルとしての旨味がなくなったらすぐ捨てるようなやつら。
昔、飯島愛がブレイクした頃に彼女を追っかけてAV女優になってどれだけの人が上行けたと思いますか?ゼロですよゼロ。その後も恵比寿マスカッツに憧れてAV女優になってメジャーになった人ってどれだけいるか知ってますか?これもゼロですよ。キャバ嬢がよくビジネス書を出しているけどあんなのも極々一部だし場末のキャバクラのナンバーワンではあんな真似はできない。
なのにわけのわからないプロダクションや大人が「夢を掴みませんか?」って無理に決まっている。つまり地下アイドルってそんなもん。
別にそんな地下アイドルを応援するのは人の勝手ですよ。
今回はそんな話です。
それでは。