不安定なモノに依存してはいけない
以前、職場でほぼ初対面の女性にこんなことを言われたことがある。「目が一重なのがコンプレックスで毎日メイクで二重を作っているが、思い切ってプチ整形しようと思っている。どう思いますか?」というような内容。繰り返すけど、ほぼ初対面だよ?こんな話するもんかね?ぶっちゃけ「どうでもええわ」って即答したいところだったけど、さすがにちょっと考えてしまった。まるでギョウコ様に「おまえ今ブタだと思ったろう」と聞かれた修羅のような気分だったよ。
え?ギョウコ様を知らない?そんなあなたは今すぐ『北斗の拳』を読んでくれ。
ギョウコ様
名を語ることができる修羅のひとり。かなり太っているが、そのことに触れられるとぶち切れる。部下に「頭のほうも切れなさる」と言われていたが、まったくそうは見えない。そして、肝心の実力の方もケンシロウ戦で見せた謎の技が格好悪すぎて(必見!)すごく弱そう。こんな人が上級修羅ってどういうことよ?
整形に関しては賛否あると思うけど、個人的にはそれで納得できるんだったらやったら良いんじゃね?という見解。問題はどうして整形したいのかって話なんだよね。憧れる姿になることでコンプレックスが解消されるんだったら良いかもしれないけど、モテたいとかチヤホヤされたいとか他者の評価ありきだったら、それは疑問が残る。
確かに男女問わず、容姿が優れている方がモテるのは間違いない。ただ、自分が期待しているほどの効果が見込めるかどうかはわからない。好みの男性からはまったく見向きもされず、気持ち悪い男から言い寄られるようになっただけという地獄が待っていることだってあり得るわけで。仮に好みの男性と付き合うまでいったとしても、そこから先は容姿だけでどうにかなる話でもない。
他者からの評価なんてすごく不安定なものだ。好きだと思っていたモノがちょっとしたことで嫌いになってしまったって経験はないだろうか?その逆もしかり。そんな不安定なモノに依存してしまうと、自分自身も不安定になってしまう。
仕事や勉強、部活なんかが忙しくて交際相手となかなか会う機会が作れない時期って必ずあると思うんだけど、あまりに交際相手への依存が強すぎると、それだけで不安で仕方なくなる。そして、相手に変なプレッシャーをかけてしまったり、過度な束縛を行うようになってしまうと、そこから別れ話になっていったりする。
ギョウコ様は「オレはブタじゃねえ」と頻りに言っているが、確信を持って言っているわけじゃない。もしそうなら、ブタだと言われてもまったく気にならないはず。ブタだと思われたくないという他者からの評価を常に気にしているからぶち切れる。つまりコンプレックスを指摘されるのが堪らなく不快なんだよね。
コンプレックスは主に他者からの指摘によって生まれると思っている。それは自分が直接指摘されるのはもちろんだけど、自分以外の人間が指摘されているのを見ることでも起こり得る。例えば、メディアの低学歴をバカにするような内容だけでも該当する人にコンプレックスを植え付けるには充分だよね。それなのに直接指摘するような奴は滅べば良いよ。割りと本気で。
ただ、他者からの評価って、物事を始めるきっかけとしては爆発力があるとは思うんだよね。良い方だと、子供の頃に誉められたことがそのまま仕事に繋がっているなんていう人は結構いたりするよね。悪い方だと、『驚きの大変身』みたいな番組で好きな人にブタと言われたショックからメチャクチャ痩せたみたいなケースが多かったりもするよね。
きっと、そういう人たちは「もっと誉められたい」や「好きな人を振り向かせたい」から「こんな絵を描きたい」「絵で自己表現したい」や「あの女優みたいなスタイルになりたい」「可愛い服が似合うようなスタイルになりたい」みたいに途中の段階で目的の転換が行われているんじゃないかな。
何かやりたいこと、達成したいことがあったら、不安定な他者の評価ありきで取り組むよりも、自分ひとりでも完結できるような安定した目的を持って取り組んだ方が上手くいくはず。きっかけはネガティブなものでも構わないと思うけど、どこかで目的を転換させられるようになれば、きっと長続きする。
あと、目標を高く設定するのは良いことだけど、長期的な目標、中期的な目標、短期的な目標と細分化することは重要。漠然と夏までに10キロ痩せると目標を立てるのではなく、半年で10キロなら3ヶ月で5キロ、1ヶ月で2キロみたいに細かく区切っていったら、ダイエットを始めて2週間経つのに1キロも痩せてないなんてことで焦りが出たり、モチベーションが低下することもないはず。小さな成功体験の積み重ねが大事。楽しめるようになってくるからね。
それでは、健闘を祈る。