他者を納得させるには?

文:なかむら ひろし

 皆さんは『ホンマでっか?!TV』という番組をご覧になったことがあるだろうか?様々なジャンルの学者や評論家の人たちが新しい学説なんかを紹介する番組だ。どうでもいい話だが、普段あまりテレビを見ない私の兄が好きな数少ない番組だったりする。

 こういう番組は「また変なこと言ってるな」と眉に唾をつけて聞くのが正しい楽しみ方なのだが、たまに妙に納得させられるようなこともあったりする。今回はこの学者や評論家たちを参考に相手を納得させる表現方法について考えてみようと思う。

【自信を持って言い切る】

 まず、この番組で学者や評論家たちは自分の書いた論文ではないにも関わらず、まるで自分が書いたかのようにスパッと言い切っている。この「言い切る」ということは非常に重要で、相手の不安を払拭する効果があるんだよね。物事に絶対とか100%大丈夫なんてことはないから、どんなことにも少なからずの不安は付いて回る。そこに自信のない曖昧な表現をしてしまうと相手を不安にさせるだけだ。

 例えば、降られた仕事の進捗状況を聞かれた時に「たぶん間に合うと思います」なんて言い方をすると詰められるはずだ。ただ、あまりにも強い肯定、断言までいくと、逆に胡散臭さや不真面目な感じを与えるので、言い切るぐらいがベスト。

【根拠となる事実を述べる】

 この番組では大学の論文や企業の調査結果なんかが根拠となる事実にあたるよね。いくら自信を持って言い切ったところで、余程の信頼と実績でもない限り、根拠がなくては納得させるのは難しい。

 さっきの仕事の例だったら、ここまで進んでいて、残りはこれだけだから、間に合うということを説明できれば、上司が納得してくれる可能性は高まるよね。

 ここで注意したいのが、あくまでも根拠となる「事実」を述べることだ。言い切ることに関しては80%のところを100%みたいに言うのは良いんだけど、ここで話を盛ったり、嘘をついたりしない方が良い。下手したら詐欺だからね。

【自分の意見を交える】

 この番組では、ただ論文や調査結果を読み上げるだけでなく、学者や評論家の人たちはそれに関して、それぞれ自分の意見、見解を交えて話している。これもかなり重要な要素だよね。

 お店でモノを買う時に店員さんに商品の特徴を聞いたりすることがあると思うんだけど、ただ商品の説明をマニュアル的にされるより、こういう用途だったら、こっちの方が良いんじゃないかなど、その人の意見を交えて話してくれた方がよりイメージが湧かないだろうか?

 あと、自分の意見を言うということは、発言に責任が生じるんだよね。だから、説得力が増すわけだ。この番組の学者や評論家たちも、この部分だけは結構濁しているんで一度よく見て欲しい。この手の番組ってそういうところがズルいよね。

 まあ意見とまではいかなくても、自分の経験談を交える感じでも変わってくるので、相手にイメージを湧かせやすい表現というのを心がけるようにしたいね。

【まとめると】

 相手を納得させるには曖昧な表現は避け、できるだけ言い切るようにする。その時に根拠となる事実、データを添える。自分の意見を交えて、発言に責任を持つ。相手がイメージしやすいように経験談なんかも交える。こんな感じかな?

なかむら ひろしのTwitter

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