『RX-77D ガンキャノン量産型』を解説

文:なかむら ひろし

 久しぶりにプラモ記事と思ったのだが、私は特別な改造とかやってる訳でもないし、基本的な工作は既に書いたので、ガンダムシリーズに関しては、そのMSの解説でもしようかと企画変更。ただ、ガンダムシリーズって後付け設定がすごいので、私の知識が既に時代遅れになっていたり、書いた時は正しくても、後に設定変更があるかもしれない。まあ、ガンダムシリーズなんてそんなものなので、緩くやっていこうと思う。

 それで、今回は『RX-77D ガンキャノン量産型』を解説。私の中では『量産型ガンキャノン』なのだが、ここではHGUCでの商品名で呼ぶことにしておこう。

 HGUCのナンバリングは『44』と古めのキットということもあり、可動がイマイチだったり、継ぎ目が目立つというのは仕方のないことだが、最近の線の細いモデル体型ではなく、マッシヴな感じは古いが故に良い部分ではある。特にガンキャノンはこういうスタイルがよく似合う。

 バイザー部がクリアパーツではなく、シールで対応している点が人によってはマイナスかもしれないが、そこまで見栄えが悪い訳ではないし、それで価格が抑えられるのならば、個人的にはむしろ歓迎。また、元々使用されている色の種類は多くはないといえ、色分けも優秀な方だと思うので、ちょっとした部分塗装でも格好良く仕上がる。

 一時期はあまり見かけないキットだった印象だが、最近はちょこちょこ再販されるようになったので、見かけた際は是非手に取ってみて欲しい。

機体解説

 ここからは機体解説に移ろう。映像作品ではOVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場。サイド6リボーコロニー内に突如として現れたジオン公国軍MSケンプファーを撃墜すべく、ペガサス級強襲揚陸艦グレイファントムから出撃するも、降下中にケンプファーのショットガンを浴び、そのまま市街地に墜落、全く活躍の機会がなかったどころか、甚大な被害を出してしまった。

スペック
頭頂高:17.5m
全高:18.1m
本体重量:51.0t
全備重量:70.2t
ジェネレーター出力:1410kw
スラスター推力:93500kg
装甲素材:チタン・セラミック複合材

 一年戦争末期に配備された中距離支援用MS。量産型と銘打っているが、型式番号を見て分かるように実際は試作機。厳密には“RX-77-2 ガンキャノン”の量産検討モデル機に当たる。

 中距離支援用MSとして、実際に量産されたのは先に完成した“RGC-80 ジム・キャノン”の方で、設計思想的にはRX-77の量産型に当たるのだが、当時主力MSであった“RGM-79 ジム”とのパーツ共有率が60%に達したことで量産されることになった。戦時中ということもあり、新たな生産ラインを立ち上げるよりも効率的だと言える。

 その後、RGM-79が所謂“後期生産型”へとアップグレードされていく中で、本機の開発が進んでいく。後期生産型ジムとパーツの多くを共有し、コア・ブロック・システムの廃止、装甲素材もルナ・チタニウムからチタン・セラミック複合材に変更するなど、生産性を向上させている。ちなみに装甲素材変更による弱体化は装甲厚を上げることで補っている。

 また、姿勢制御バーニアを増設し、空間戦闘での運動性が向上、臀部のスタビライズド・ギアをアウトリガー・ジャッキの要領で接地させて、機体を固定することで、屈んだりしなくとも精密な砲撃を可能とする。

基本武装
頭部60mmバルカン

連邦軍MSの標準装備。近接戦闘用の固定武装。

240mmキャノン

炸薬によって実体弾を射出する低反動砲。半格納式で、砲身を伸縮することができ、近接戦闘の妨げにならないように設計されている。

90mmブルパップ・マシンガン

一年戦争末期に配備されたMSに広く使用されたマシンガン。弾倉、機関部をグリップ、トリガーよりも後方に配置することで、銃身を維持したまま全長を短縮、軽量化することができ、取り回しの良さが特長。

 結果的に本機の生産は少数に留まり、量産されることはなく、“ガンキャノン”を冠するMSは姿を消していくのだが、後に量産される高性能中距離支援用MSのベースとなったため、本機の存在意義は大きいと言える。

 如何だっただろうか?こんな感じで私の持つ知識と私なりの解釈を含む解説になるので、間違っていることもあるとは思うが、暖かく見守って欲しい。何かキットを完成させた時に更新していく形になるので、かなり不定期になるとは思うが、次回を楽しみにしてくれる方がひとりでもいてくれれば幸いだ。

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