基礎代謝はあまり気にしなくても良い
久しぶりにダイエット記事。世間ではもうお盆休みを目前に控えているわけだが、皆さんのダイエット生活は順調だろうか?今回は、代謝の話をしようと思う。
代謝というと、新陳代謝という言葉があるように、古いものが排出されて、新しいものに入れ替わるという意味で使われることも多いが、他にも摂取した栄養素をエネルギーとして使用できるように分解したり、身体にとって有害な物質を体外へ排出できるように分解するという意味もある。ただ、ダイエッターの間では基礎代謝のことを指すことが多いように思う。
基礎代謝というのは、最早説明する必要もないかもしれないが、生命維持のために必要な最低限のエネルギー消費量のことを指す。特に何もしないで、横になっているだけで、勝手に消費されるエネルギーと思ってもらって良い。何もしなくても、エネルギーが必要なのは横になっていても呼吸はするように、肺や脳、心臓といった内臓は動いているんだよね。内臓を動かすのにもエネルギーは必要ってこと。
ネットでダイエット系の記事を検索してみると、基礎代謝を上げながらダイエットをしようみたいなものがほとんどだ。皆さんもダイエットに筋トレは必須みたいに思っている方も多いのでは?ただ、ダイエットという言葉が減量を意味するのであれば、それは不可能だ。そんなバカなと言われそうだが、それにはちゃんと理由がある。
基礎代謝というものは、体重が減ると同じように落ちるようになっている。よく考えてみて欲しいんだけど、小さくて軽いものを動かすのと、大きくて重いものを動かすのとでは、どちらがより多くのエネルギーを必要とするか?答えは当然、後者だよね。生物の身体も同じで、身体が大きいほど、基礎代謝は高くなる。ネズミと象じゃ食べる量が全然違うでしょう?
また、基礎代謝は加齢と共に低下していく。調べてみると、20代からだんだんと下がり始めるらしい。本来なら、この基礎代謝の低下と共に食欲も落ちるはずなんだけど、同じように食べられるはずだと、若い頃と食べる量を変えずにお腹いっぱい食べると、太ってしまう。所謂、中年太りというのが起こるのは、これが原因のひとつ。
そこで基礎代謝を上げようと、一生懸命運動に励むわけだけど、運動をすると、その分のエネルギーが必要になるので、摂取カロリーが増える。筋トレをして、筋肉量が増えると、確かに基礎代謝は上がるんだけど、それを維持しようとすると、その分の摂取カロリーが増える。結局はプラマイゼロなんだよね。もちろん、適度な運動や筋トレが身体に良いのは間違いないから、やった方が良いのは間違いないんだけどね。
以上のような理由から、ダイエットを行う上で、基礎代謝というものをあまり考える必要はないと言える。ただ、変なダイエットを実践してしまうと、基礎代謝が異常な落ち方をする場合がある。これだけは気を付けて欲しい。特に極端に摂取カロリーを抑えるようなダイエットが危険だ。身体が怠くなったり、頭が働かなくなったり、手足が冷えるようになったりなんて症状が出たら、一度摂取カロリーを見直した方が良い。ダイエットにおいて、基礎代謝が重要と言われる理由は、過度な食事制限や運動によって、異常な落ち方をしないようにしようっていうのが正解。
基礎代謝が落ちると太りやすい身体になって、リバウンドのリスクが上がるなんてことが言われるが、これも基礎代謝が異常な落ち方をした場合、正しいと言える。極端に摂取カロリーを減らしてしまうと、身体は生命の危機を感じて、体脂肪をエネルギーに替えるよりも基礎代謝を下げて対応しようとする。
お金で例えると、分かりやすい。収入が極端に減ってしまった場合、貯金を切り崩して、それまでの生活水準を維持しようとするよりも、ほとんどの人は節約して使うお金を減らすことを優先するよね。これが身体でも起こるわけだ。
この節約体質が身に付いてしまうと、摂取カロリーを戻しても、身体はまたいつ飢餓状態が訪れるかわからないので、基礎代謝が元に戻るのにはラグが発生して、この間はそれまでの食事に戻しても基礎代謝が低下してしまっている以上、太りやすくなってしまう。これがリバウンドが起こるメカニズムだ。
ダイエットを行う時、基礎代謝を上げなければいけないと、頑張るんじゃなくて、基礎代謝を極端に落とさないように食事制限を頑張り過ぎない。これが重要なんじゃなかろうか。