よーいドン!で始まる人気者ハードル競争の行方
例えば、なんでもいいんですけど、何をやり遂げたその次の先のことって考えたことありますか?
サラリーマンだったら営業ノルマだし、お笑い芸人なら地上波だったり、バンドなら大きなホールで満員だったりで。
まぁみんなこのようなハードルを設けることで成長して行くわけなんだけど、実際問題、「自分がやりたいことをやる」って常にこのハードルがつきまとうことになる。そしてこのハードルは次はどんどんと高くなってくるのである。
いくら大きなホールに満員詰め込んでも米津米師のように超弩級のメガヒットを携えても『Lemon』の次にはさらなるハードルが待ち構えている。まぁ『Pale blue』の方が個人的には好みなんだけどね。
そういったハードル競争をここでは『人気者ハードル競争』と名付けようと思います。
そしてこれは永劫的に続くのであってレース途中で抜けるずっこけるともすれば世論から落目のレッテルを貼られる。
それは「あいつはもう終わった」なんて大衆的リスナーやメディアからは身勝手にもそんなことを言われ、奴らはまた別物の競技選手へと注目していくのである。
つまるところ、ちゃんとハードルを飛び越えても次にはさらなる高いハードルがあってそれが枚挙、インフレを起こして行くような現象なのである。そして一度でもずっこければ終わりなのだ。
昔、松本人志のラジオで全く知らない人たちを振り向かせるのが楽しくてしょうがなかったっていっていた。確かにそうだと思う。
基本的に世間は「お前誰やねん」なんて言われながら会場を沸かせるほど気持ちのいいことはないだろう。
だけど、現実はそうもいかない。例えばとある飲み会で一回大ウケをかさらったら次への期待値はどんどんと上がっていく。だからウケの波が大きくなってくるとそのノリは大味になってくるわけで、最終的には最悪のどぎつい下ネタ締めにて自己反省に入ってしまう。そして泥酔、ぶっ倒れ昏睡、待ているのは起き上がりの憂鬱であります。僕の周辺の人には本当に申し訳ない。
これらをみるに高いハードルを超えたその先って永劫回帰であって本当はめちゃくちゃ辛いのではないだろうか?
そうりゃそうだな。やってもやっても同じことのインフレってある意味では絶望的。まぁ売れないバンドがチケットノルマを達成するぐらいの小さなことならまだしも、例えば僕個人としてはオリビア・ロドリゴとかこれからどうするんだろうなって思う。ビリーアイリッシュほど主張性が強いわけじゃないし。まぁこの後もワールドツアーとか二枚目、三枚目のアルバムを作って行くんだろうとは思うけどね。ここまで売れてしまった10代は周りの期待値込みで相当「キツイな」なんて僕の年のせいかそんなこと思ってしまう。
それなら考えてみるとこのハードル競争って終わり方こそをどこが肝心なんじゃないかなと。
いつまでもそのハードル競争しているわけにはいかない。高いハードルを超えて言っても時期に飛べない高すぎるハードルがあるわけで、絶対に無理なことってある。
かつてのネオV系ブームの時もDir en greyだけが生き残っているのもハードル位置をヴィジュアル系からメタル方面へとずらしていったことがこうをそうしたわわけで。
そう考えると近年の女性アイドルグループが死に絶えていっている現状も説明がつく。かつて「サブカルだー」とかいって時代の先端ヅラしていた地下アイドルファンたちは一体どこへいったんだ?どんどんと次々と地下アイドルグループは解散していってるぞ。コロナ禍の今こそがお前らの出番だろうが。とあるライブハウスではアイドルイベントのほとんどが人集まらなさすぎてバラシになってるそうですよ。頑張れよ、ゼニを出せ。シュプレヒコール。
本来、こういう窮地にこそファンを名乗る人たちは助けにくるものだろうと思うけど、実際は違う。これはあくまで「サブカル」というハードル競争がインフレを起こしすぎてレースにならなかったことにも起因している。だからBishの紅白に出たから解散っていうのも理にはかなっているんですよね。地下アイドル的ノリを高視聴率にのけったらもう次がないじゃないですか。
そうなるとある意味では「売れない」というのも呑気でいいのかもしれないですよね。いやまぁそいつらの人生とか生活もあるんだろうけど、例えば今時パンクバンドとかって絶対に売れないわけじゃないですか。いっちょまえに金髪モヒカンでレザージャケットみたいなの。そんなので絶対に配信で一位なんか取れるわけでもないし、ムーブメントなんかも起きるわけでもない。多分売れないからこそその人たちって4,50代になってもバンドをエンジョイしているんだろうなって。
楽しみたいからこそ売れないことをする、そして流行というコンテンツから逃げて行く。はじめからハードル競争に参加しない。これは悪いことではないしむしろそっちの方が清々しい。だけどいるじゃないですか?売れようとしているけど売れなくて周りに当たり散らす人って、あれなんかは酷くダサい。
だったらまずは今の時代のハードル競争に合わせろという話。売れるか売れないかはまずそのハードルがインフレしているかどうかが肝心なわけでそこを理解せずに「俺たちの音楽」なんて誰も見向きもしない。多分その10年後も同じことを言っているだろうなと思う。
まぁそんなわけで今回は色々話が飛んだりしているけどとにかく言いたいのはインフレしきったハードル競争に飛びつくなって話。もし、そこに参加しているならその競争の終わらし方、別の競争へとずらして行く方法を考えた方がいいよって話です。
それでは。