愛馬との合体ギミックが熱い武者精太頑駄無

文:なかむら ひろし

 SD戦国伝といえば、戦国時代という設定のため、オリジナルではカタカナ表記のものになかなかファンキーな当て字が使用されることで有名です。例えば、ガンダムは「頑駄無」、ザクは「殺駆」といったような感じです。そのほとんどがヤンキー的なセンスの当て字なのですが、バウンド・ドッグが「弾犬」というようなキラキラネーム的なとんちを聞かせた(?)当て字もあったりします。
 今回、紹介するのは「ムシャZガンダム」です。前回の武者頑駄無は、SDガンダムバリエーションのひとつに過ぎなかったのですが、ここから正式に「SD戦国伝」としてシリーズ化されていきます。BB戦士には、組み立て説明書にコミックワールドというマンガが載せられているのですが、それまで単発だったマンガもストーリー仕立てとなり、毎回最後のコマに書かれる「次回を待て!!」は妙に印象に残ったものです。

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 漢字表記だと「武者精太頑駄無」、通称「精太」です。設定では、代々武士の家系で弓の達人ということになっていますが、このキットに弓矢は付属しません。次のムシャガンダムMk-IIまで、付属する武器は刀・長刀・銃と決まっていて、特殊な武器はムシャダブルゼータガンダムからになります。
 ただ、このキットから2色のランナーの他に金メッキパーツが追加され、両足もポリキャップというポリエチレンパーツによる接続になりました。(武者頑駄無は頭・両腕はポリキャップ接続ですが、両足はプラ接続でした。)金メッキパーツが加わっただけで、かなり見栄えが違いますね。このキットはシールを貼れば、塗装なしでもそこそこ見れる出来です。
 また、このキットから兜などを飾る台座は動物や支援メカなどに変更されています。精太のパートナーは、武者ホース緒羅四恩(オラシオン)といいます。ちょっと小さいですが、戦国時代の馬というのは、かなり小さかった(今でいうポニーぐらい)らしいので、まぁいいでしょう。

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 精太を緒羅四恩に騎乗させることもできます。本当にただ乗っているだけですが、騎馬武者形態という大げさな名前が付けられています。ちなみに精太の腰には穴がなく、刀を腰に差すことができないので、ピンバイスで穴を空けました。パッケージでは背中にマウントしていますが、他のイラストなんかでは腰に差しているので、この方がしっくりくるかと。

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 軽装タイプは、武者頑駄無から引き継がれ、この後も定番となります。銃は武者頑駄無と比較して、より火縄銃っぽくなりました。もちろん、スプリングでミサイルを発射するギミックを搭載しています。
 台座が廃止された代わり、愛馬・緒羅四恩に兜・肩当て・刀を装着することができます。兜がブカブカでなんだか可愛らしいですね。ちなみにこの状態では騎乗できませんので悪しからず。

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 このキットの目玉は、緒羅四恩との合体ギミックです。その名も「ケンタウロス・スペシャル」です。最新のBB戦士しか知らない方にとっては「なんじゃそりゃ!」というチープさを感じるかもしれませんが、当時としてはなかなか感動ものでした。子供ってこういうの好きでしょ?ガシャポン戦士でもこういう合体ができるものは人気があったものです。
 持たせている弓矢は、例によって余ったランナーで作りました。パテなどの材料が手元になかったので、弓は肩当てをテープで固定し、矢は紙を貼っただけという、やっつけ仕事です。こちらもちゃんと作り直しておきます、いずれは。

 この手の古いキットは、定期的に再販されたりしているので、気になった方は、近所の模型店やお近くの量販店で探してみてはいかがでしょうか?amazonで検索してみたところ、モノによっては安価で購入できるようなので、そっちの方が手っ取り早いかもしれません。模型店も少なくなってきましたからね。うちの近所も壊滅状態です。個人的には、年寄りがやってる模型店で店主と世間話でもしながら買い物するのが好きだったんですけどね。

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