これぞ武者、武者頑駄無摩亜屈の洗練されたデザインに感服
普通、ガンダムなどのモビルスーツは、人間が操縦するロボットなのですが、SDガンダムでは意思を持った生命体として描かれます。しかも、SD戦国伝やSDガンダム外伝では、どうやってるのか分かりませんが、子供を産んだりもしています。ちなみにSD戦国伝では、アムロやシャアといった人間のキャラクターは登場しませんが、SDガンダム外伝では人間のキャラクターも登場します。人間とモビルスーツは別の種族ということになっていて、私の知る範囲では、混血児は登場しないはずですが、もし存在するならば、ウォーズマンのような感じになるのでしょうか。
今回、紹介するのは「ムシャガンダムMk-II」です。モデルはガンダムMk-IIなのですが、顔がZガンダムタイプということもあり、「これがMk-II?」と不思議に思うかもしれません。これは、漫画『プラモ狂四郎』の中で武者ガンダムの後継機として登場した、いわば2代目武者頑駄無を武者ガンダムMk-IIと呼んだことに由来します。つまり、武者ガンダムMk-IIはガンダムMk-IIの武者バージョンではなく、武者ガンダムのMk-IIというわけです。しかし、BB戦士「ムシャガンダム」のコミックワールド内で、「摩亜屈」というガンダムMk-IIをモデルにした顔がガンダムタイプキャラクターが登場したため、話がややこしくなります。恐らく、コミックワールドの作者が今後シリーズ化されるなど露知らず、適当に描いてしまったのでしょう。その後、「摩亜屈」と「武者ガンダムMk-II」をSD化した「武者頑駄無摩亜屈」を同一人物にするため、武者の称号を得てからZガンダムタイプのマスクを装着しているという後付設定がなされました。
牡牛のような角がトレードのマークで、シンプルながらも見事に戦国時代の武者を再現した秀逸なデザインだと思います。武器は、これまでと同じ、刀・長刀・銃の3種類なのですが、二刀流になったことで上手く差別化されています。銃もリボルバーになったりしています。ただ、デザインのみで実際に連射はできませんので悪しからず。
摩亜屈のパートナーは、イーグルといいます。主に偵察の任務が与えられるようです。修行時代に劇的な出会いをしたそうですが、もうちょっとちゃんとした名前を付けてあげられなかったのでしょうか?これじゃあ、飼い犬の名前がドッグみたいな感じですよね。
軽装タイプでは、イーグルの羽を肩に装着します。軽装タイプになると、3倍の速さで動けるようになるそうです。なんだかスゴイように聞こえますが、逆に甲冑を装備すると1/3の速さになると言うと、ダメな感じに聞こえます。これがレトリックというものですな。実際、何10キロの甲冑を身に着けると、これぐらい動きが鈍くなるものなのですかね?
外した兜などをイーグルに装着することで武者イーグルとなります。空中からの一撃離脱戦法を得意とします。武者ホースと比較して、かなり工夫が見られますね。兜とバックパックを固定するためにL字の別パーツを使うのですが、後ろから見るとそれが丸見えなのが弱点です。
武者イーグルに乗せることもできます。コミックワールドでの初登場時がこれでした。摩亜屈時代は、スーパーガンダムのような風貌をしており、空を飛ぶ力を持つという設定だったのですが、武者になるとGディフェンサーの要素が消えてしまい、優れた跳躍力による空中殺法を得意とするという設定になりました。イーグルがパートナーになったのは、空を飛ぶ力を持つという前設定を活かすためだったのかもしれません。
ガンダムMk-IIといえば、どことなく地味な印象が否めませんが、武者頑駄無摩亜屈はその秀逸なデザインが影響してか(コスト面もあるでしょうが)、近年ではリアルタイプのものがMG化されるなど、様々な形で商品化され、バンダイには優遇されています。この後、SD戦国伝シリーズはどんどん派手で格好いいキャラクターが登場しますが、シンプルに武者を表現しているという点では、これが一番だと思います。