いろいろ遊べる農丸頑駄無が嫌いな人なんていないよな
初めて買ったCDの話なんかで盛り上がったという経験は、一度くらいはあると思います。まぁ、最近の子供の中には「CDなんか買ったことねぇよ!」という人もいるかもしれませんが、CDでなくとも初めて買ったモノって結構思い入れがあったりするものです。今回、紹介するのは、私が初めて買ったBB戦士、「農丸頑駄無 天地大河スペシャル」でございます。
農丸頑駄無が初めて登場したのは、漫画『超戦士ガンダム野郎』(ハイパーせんしガンダムボーイと読みます)です。作中で主人公の天地大河が武者頑駄無をベースに作ったオリジナルBB戦士で、名前も天地大河スペシャルでした。これが後にSD戦国伝に逆輸入され、武者七人衆の最後の一人、農丸頑駄無として登場したのです。武者の称号を得る前の農丸(若農丸)は、名前の通り、所謂「普通のガンダム」がモチーフでしたが、武者となってからは武者頑駄無がモチーフとなったため、全然ノーマルではないという、よくわからない話になってしまいました。
農丸頑駄無は武者頑駄無の双子の弟で、摩亜屈に二刀流、精太にスピード殺法を教えたという武芸の達人という設定です。当初は、行方不明とされていたのですが、闇軍団の秘密を探るため、隠密頑駄無に姿を変えて、諜報活動を行っていました。そして、最終決戦を前に正体を明かし、武者頑駄無たちに合流しました。
兄の武者頑駄無とそっくりですが、カラーリングや装飾がやや豪華な感じになっています。一番の相違点である兜飾りのシーサーは、天地大河のトレードマークです。ちなみに農丸は、「武者七人衆編」最後のキットということもあり、最初にキット化された兄の武者頑駄無と比べて、格段に造型技術が進歩しており、巷間イケメン扱いされていたりします。
武装は、刀・長刀・銃というシンプル仕様です。もちろん、銃にはミサイル発射ギミック搭載です。刀は日輪丸、銃はタネガシマバルカンという名前があります。すべてマウントできるのが嬉しいね。
兜飾りのシーサーは分離して、アニマルスピリットというパートナーになります。アニマルスピリットと一緒に飾る場合、兜飾りを外しておくのが設定的には正解です。あとパッケージに「支援メカ」と書かれていますが、「メカ」じゃないだろ!
アニマルスピリットに農丸の鎧を換装することで、武者スピリットになります。ただ、武器は己の牙と爪のみです。
農丸のもうひとつの姿、隠密頑駄無も再現することができます。農丸を隠密と武者スピリットにすると余剰パーツがほとんど出ないのが素晴らしい。肩に「農に○」と書かれていて、正体バレバレなのは、当初から隠密=農丸と設定されていたのでしょうね。しかし、アンテナのないガンダムというのは、当時かなり斬新に感じたものです。
隠密は、モチーフがNT-1(アレックス)ということで、カードダスのイラストやアニメでは目が緑だったり、手足の黒の部分が白だったりしますが、こちらを再現すると農丸にしたときに変な感じになってしまいます。コミックワールドでは、目も黄色だし、このカラーリングで良いのです。
頑駄無軍団の下忍・暴留と闇軍団の下忍・雑魚も付属しています。ふたつのパーツをくっ付けただけで、可動も何もありませんが、こういうおまけは嬉しいものです。
暴留のモチーフはボールで、カードダスなどのイラストでは目が緑なのですが、面倒くさいので黄色いシールを貼っています。また、雑魚の方は旧ザクやドムのような顔をした個体も存在しており、有名なのがザクII顔なだけで、特定のモチーフがあるわけではないようです。写真ではわかりにくいと思いますが、4本足だったりします。
これまで紹介してきたキットは、当時定価300円のものだったのですが、これは500円ということもあり、おまけパーツがたくさん付いていて、非常に遊び応えがあります。今回、写真は載せませんでしたが、メッキパーツのなかった武者頑駄無用の金メッキの前立ても付属しています。以前、武者頑駄無を紹介した際に載せた写真ですが、実はこのメッキパーツを付けていたんですねぇ。
私が初めて購入したキットということで、思い入れが強いということに加え、私が最も好きなキャラクター(特に隠密)だということもあり、かなり評価したいところですが、難点がないわけではありません。赤・黒・金というカラーリングが絶妙なキャラクターなので、無塗装だとかなりショボい感じになってしまいます。しかも、成型色が白・黒・青という白以外は塗料が乗り難く、なかなか子供泣かせです。また、長刀が太くて手に持たせ難かったり、長刀をバックパックにマウントしてもすぐに外れるという金型の難点もあります。それでも、キットの出来自体は良いですし、いろいろ組み替えて遊べる楽しさが勝るわけですよ。色眼鏡なしでもなかなかの良キットだと思います。