カス野郎白書その6「何にでも精神論を持ち出す」

文:なかむら ひろし

 誰しも一度くらいは「こいつ死んでくれないかな」と思ったことがあるはずです。さすがに実行に移すとまずいのですが、心の中で「死ね」と思うことは憲法で保障されている権利なので問題ありません。私の「殺したい奴ランキング」で常に上位に入ってくるのが「何にでも精神論を持ち出す」カス野郎でございます。
 何か問題が生じたときに、論理的に話し合うのが筋なのに精神論ばかりを持ち出す奴がいると、まったく話になりません。「気合で何とかなる」って何だよ。具体的な方法を挙げろよ。はいはい、撤収!撤収!って話です。こういう奴って根本的に問題を解決しようっていう気がないんだろうね。仮に彼らの言う「気合」で乗り切ったとしたら、それで何の解決にもなっていなくても、解決したと錯覚するのでしょう。こういうのって本当にその場しのぎにしかならないんだよな。確かに理屈なんて置いておいて、そこさえ乗り切れば後は開けるという場面なら、有効ではありますが、これが永続的となれば、明らかに話は別なわけで。例えば、受験生の最後の追い込みなんかは、気合で乗り切るっていうのも悪くはない。ただ、日々の業務を「気合で乗り切れ!」なんて言われたら、精神をすり減らしてしていくだけだ。
 こういう精神論を持ち出す奴って大体、自分よりも上の立場にいます。上司とか教師とかに多いよね。これって指導すべき立場の人間の怠慢なんだよな。細かい指導とか最善策の模索とかを怠っているだけ。結果、潰れた人間が出てくると、「あいつの根性が足りなかっただけだ」とか言って、自分の非は棚に上げる。また、そういう指導(笑)の元でたまたま出世した奴なんかにも伝染したりするのでさらに厄介。そいつも下の人間に同じことをするもんなんですよ。こういう奴が幅を利かせているような場所からはさっさとおさらばすることが吉です。本当に。
 ここまで精神論の濫用を否定してきたわけですが、逆にどんな場面でも精神論を否定し、自分がすべきことすらしない人間もまた厄介。こういう人間は見るからにカスなので、言わずもがな。ただ、極端な精神論者よりも一緒にいると楽なんだよな。ビジネスパートナーとしてはアレですが、ちょっとした友人関係ぐらいなら、自分が嫌悪感さえ抱かないようであれば、無気力人間も意外と面白かったりしますよ。まぁカスには違いないので、伝染しないように気をつけなければいけませんが。

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