ブックオフ250円CDレビューvol.3

文:田渕竜也

 どうも久々の第三回ブックオフ280円コーナーCDレビューです。ここでは毎回、私がブックオフへ足を運び、280円コーナーにある超重量級の名盤から一発屋、クソ盤までをジャンル問わず、レビューしていきます。
 よく意識の高い音楽好きから嫌われるのが「タレントCD」というものだ。タレントCDというと番組の企画かなんかでなりたつことから、よく叩かれる傾向にあると思う。だが、大抵そういったタレントCDを叩く意識の高い音楽好きに限って、実際、楽器経験がなかったり、大したCD_も持っていなかったりする。
90年代はとんねるず、ウッチャンナンチャンをはじめとにかく番組からCDの企画を出せばヒットする時代であった。その中でもダウンタウンの『ガキの使いやあらへんで』から生まれたGEISHA GIRLSの1994年発売の『THE GEISHA GIRLS SHOW ~炎のおっさんアワー』は90年代のタレントCDの中でも抜きん出て前衛性と坂本龍一、テイ・トウワ、アート・リンゼイ、BOREDOMS、小室哲哉といった豪華参加陣が参加した作品であった。
 基本は当時、日本でもまだ浸透していなかったヒップホップ、ドラムンベース、トリップポップ、フォークにボサノヴァ、ノイズとかなりバラエティにとんだ前衛的な作品である。
曲の間に挟むダウンタウンのコントは本場アメリカのいうところのSKITとという寸劇の役割を果たしており、バラエティに富み作風がバラバラの今作で次の曲へスムーズに繋げる役割になっている。
 テイ・トウワ作曲の二曲目の「Blow Your Mind -森オッサン チョイチョイ キリキリまい」は当時まだ珍しかったブレイクビーツのドラムをサンプリングして作成した楽曲で歌詞も関西弁の汚い言葉は和製スラングといったところで、ジャジーなヒップホップの楽曲になっている。
 今作はテイ・トウワ色が強く、ドラムンベースにヒップホップといった90年代当時としては前衛的な楽曲が多く、坂本龍一はプロデューサーとして編曲や参加陣の手配の方面が強く裏方的な立ち位置となっている。
 総評としては「バラエティに富んだお笑い版ホワイトアルバム」といったところ。

田渕竜也のTwitter

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