若者はとりあえず投票に行った方がいいよ

文:なかむら ひろし

 今回の参院選は、国政選挙では初めて18歳選挙権が適用される(実際には21歳までの人が初めての投票になる)わけだが、「どこに投票したらいいのかわからん」「興味ないし、面倒くさいからパス」っていう人も多いのではないだろうか。気持ちはわからんでもないが、投票に行かないと最終的に損をするのは若者なんやで。結論から言うと、とりあえず誰でもいいから投票した方がいいよっていうお話。

 政治っていうと、議会の中で我々の生活からはほど遠いスケールの大きな話をしているというイメージを持っている人も多いかもしれないが、それは違う。政治というのは、我々の生活と密着している身近な話なんだよね。例えば、良し悪しは置いておいても消費税が上がると思いっきり生活に直撃するわけでしょ。105円だったお菓子が108円になったのも政治って言えるんだよね。お菓子ひとつの値段でさえも政治の影響を受ける。つまり、政治って我々の生活そのものなんだよね。だから、政治に興味がない=自分自身の生活に興味がないといっても言い過ぎではないわけ。それでもいいのかって話。当然、いいわけない。
 是非とも政治に関心を持って欲しいところではあるんだけど、今回の参院選に関してはそんな時間もないわけで。でも、「じゃあ、今回はパスしよう」なんてことは考えないで欲しい。とりあえず、誰でもいいから投票すべし。「そんな無責任なことできないよ!」と思われるかもしれないが、今回に関してはそれでもいい。投票するってことが大事。オリンピックよろしく参加することに意義があるって話ではなく、ちゃんとした意義があるんだよね。
 有権者の多数を高齢者が占める日本では、高齢者向けの政策が中心になってるわけよ。政治家ってのは、落選したら無職になっちゃうもんだから、何よりも当選することが大事。そして、いい票田になるのが数も多いし、投票率も高い高齢者なので、こいつらには逆らえないわけ。「でも、高齢者っていい大人なんだから、真剣に国の将来のことを考えて投票してるんでしょ?」なんて考えている若者がいたら、それは脳内お花畑ってやつだ。こいつらは、所詮自分のことしか考えてない。現在の若者のことだけでなく、生まれてもない子供のことなんてアウトオブ眼中。勤労世代に負担を押し付けて自分はのうのうと暮らしていきたいってだけ。だからこそ、若者が投票に行くってことが重要なんだよね。ホリエモンみたいに「若者が投票に行ったところで高齢者の方が人口分布的に多数なんだから何も変わらない」っていう人もいるけど、例え少数であっても無視できる数ではなくなってくるはず。いきなり変わるかと言われれば、そうはいかないって言わざるを得ないけどね。

 最後にこれから政治のことを勉強しようと思ってる人へ。とにかく自分の頭で考えろってことを強調したい。有名な学者だからってそいつらの言うことを鵜呑みにしてたんじゃあきまへん。言論界を席巻してるのって結局、高齢者なんだよね。こういう老害に気に入られないと、この世界でやっていくのは難しい。若手だからって信用できないのはそこにあるんだよね。
 また、言論の劣化も目に余るものがある。所謂「ネトウヨ」と呼ばれる奴らがその代表で、未だに中韓をバカにして「日本最高や!」と盛り上がっとるわけですわ。低賃金の非正規労働者がひきこもりやニートをバカにしたって自分の生活がよくなるわけでもないのと一緒。それでも、中韓ネタで本を出すと売れるもんだから、次々と出版して小金を稼ぐ。そりゃあ、保守系言論界も劣化しますわ。サヨクは言わずもがなだが。
 しかし、いずれ老害どもは死にゆく。それまでに、いかに勉強してきたかで将来の日本は大きく変わる。何もデモなんかの市民運動に参加する必要などない。そんな暇があるなら趣味に興じた方がマシ。デモごときで政治が動いてくれるんなら選挙なんていらない、民主主義国家じゃない。とにかく、勉強して投票に行くことが重要。その第一歩が今回の参院選ってことで終わり。

なかむら ひろしのTwitter

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